退屈姫君伝

退屈姫君伝 (新潮文庫)

退屈姫君伝 (新潮文庫)

先日、なんとなくジャケ買いした「風流冷飯伝」が落語チックでおもしろかったので続刊をまとめて購入。冷飯伝の次の作品がこれなのです。


口調はソフトで、テンポは秀逸、大変読みやすいです。話はというと、落語チックと書きましたが、それは、ちょっと「ヌケた登場人物たち」が「愉快な会話をする」という点。とはいえ、落語と違うのはそれなりに「改易・取り潰し」といった藩の一大事を筋に置いている点。改易されたら明日から「失業」ですから、それはもうみんな必死で、がんばったりして、でもやっぱちょっとヌケていて、というのがおもしろいです。
そしてこのシリーズ、どうやら「共通の登場キャラ」がいるようで、その辺もワクワクしながら「次の話」を読みたくなるポイントです。今3巻目を読み始めましたが、そこにはこの「退屈姫君伝」で登場したキャラが登場し、早くも期待が膨らみます。

歴史モノは「大御所ばかり読むのは野暮だ」と昔から思ってましたが、やはりこういう好作に出会えると、改めて「大御所だけ読むのは野暮だ」といいたくなります。
<「○○(作家名)を読んでいる」というのがステイタスだ>というフェーズから一皮むけたら、ぜひ「ジャケ買い」をオススメします。それなりに失敗もありますがw きっといい出会いもあるかと思いますよ。