火の鳥再読

火の鳥 1 黎明編 (角川文庫)

火の鳥 1 黎明編 (角川文庫)

皇国の守護者」の読後感で生まれた「戦争ってシビア(なのだろう)」というところから連想したノンフィクション系太平洋戦争戦記を読みましたが、その流れで「命ってけっこうちっぽけ。人間てかなり残酷」という印象を得、戦記的なニュアンスが強いという印象のあった火の鳥をなんとなく手に取る。


命の価値の様々な解釈を見せる(見る)ことで、「闇雲に、絶対的に、<命って大事>と叫びまわる」より、より明確に「命は大事だけど、大事にされるためには環境・条件が整っていることが前提=平和の重要性」が浮き彫りになると思いました。

とはいえ、連作で読んでいると、当初の目的である「命の描き方の確認」から、単なる作品評的なことを言いたくなりw、中盤って、ちょっとだらけてきたというか、「本道の火の鳥」として描きたいストーリーがあるのではなく「火の鳥をうまく使えるネタ」をちょっと描いてみた、という感じがする「編」があるのかなぁと思いました。

作者もそういう思いがあったのかわかりませんが、その反動か、今読んでいる「太陽編」(唯一?私がリアルタイムで読んでいた火の鳥と思われる)は、メッセージがたくさんたくさんあって、大筋こそ覚えているものの、細かいところは忘れているのでわくわくして読んでます。