第三の時効

第三の時効 (集英社文庫)

第三の時効 (集英社文庫)

ココ最近好きな横山氏の「書店もオススメ」なこの作品。帯で池澤夏樹氏は「最高傑作」とのたまってますが、さてどんなもんか?


読み始めは正直「何が最高なのか」がわかりませんでしたが(あ、いや、普通に横山氏の持ち味であるリアリティと緊迫感という意味でレベルの高い作品ではありましたが「最高」、とは思わなかった、という意味です)、最後まで読んで「ほほう、そうともいえる」と思ったのです。

これまで私が読んだ横山氏の作品は「短編…個々の作品で特徴のある登場人物が登場し、難解な事態に陥り…*1)」というのがあり、「連作…短編だけど主人公は同一人物で、難解な事態に陥り…*2」というのがあり、「長編…とある人物をめぐる周辺の人々の描写*3」というのがありました。
が、今作は「個々の作品で特徴のある登場人物が出つつ、終盤でその登場人物たちがバトル!!(といっても捜査上の話ですが)」という、今までに無いパターンに突入しています。
個々の登場人物がピンでも面白いのに、絡んだらどうなるよ!? という意味で、昨今の格闘ブームを例に出すまでも無く「夢の対決」が実現し、「最高傑作」という言い方もできるかなと、思いました。面白かった。
オススメ。