ディアスポリス-異邦警察(5)

ディアスポリス-異邦警察-(5) (モーニング KC)

ディアスポリス-異邦警察-(5) (モーニング KC)

前巻では「日本の異国を描くこのマンガにロードムービー的要素は似合わないんじゃね?」的なことを書きましたが


その背景は「ロードムービー=メインの舞台である国際感溢れる歌舞伎町を離れること(場所の設定)」だけでなく、エピソードとして「反抗する弱者かつ狂者」を描いていたので「その設定は特に外国人(このマンガ)でなくてもよい」と思ったのもあります。


で、今巻では、この作品ならではの「日本の異国」を描く面白い展開でした。

でも、前巻から続く最初のエピソードは、前巻で描かれた「鈴木の元彼女のミステリアスな部分」が、ふたを開けてみたらなんだか普通な展開でちょっぴり残念。
前巻の「ボケ老婆」を騙すあたりとかが、もっと深い何かを想像させたのですが。

しかし、面白いと思った背景は、ギミックとしての、「プライベート・ライアン」ネタ。
主人公久保塚の謎の過去を匂わせつつ、ネタとして繰り返されて、オチまでつながっていい感じでした。
あのネタは、確かに昔、学研のひみつシリーズで、水はすごい高さから落ちるとすごく硬い、みたいな話があったのを覚えているので、あのロジックはなんとなく納得。

前巻のダーティイエローボーイズのクレイジーな大量(場面も火力も)ドンパチも嫌いじゃないですが、こういう使い方で、血なまぐさくなくても面白いドンパチってあるんだな、と思いました。



そんで、今巻のエピソードその2。最近あまり聞かなくなった「スペツナズソ連の特殊部隊)*1」が再登場。
その昔、B.B*2とかスプリガン*3とか、その他もろもろ(飛ぶナイフとか)国際系、あるいはハッタリ系バトルマンガで見たぼんやりとした記憶がありますが、ホント久々。でも、このマンガであの形で登場されると、すごく納得できるソ連崩壊+異国人流入の日本の今、な感じ。

場所が北海道ってのも「歌舞伎町」に近い感じでリアリティを感じるし、コレは「ダーティイエローボーイズ」編よりも「ディアスポリス」っぽい。←いずれにせよ、私は各都市の「国際化状況」を正確に把握しているわけではないのですがw

格闘技好きというあたりもあり、このシリーズは期待が持てます。続きが読みてぇ!(前も思ったけど)


前巻で、ちょっと「違う!おしい!」と思ったあたりが今回はリカバリできている感じでよかったです。
改めてオススメ!