石の血脈

石の血脈 (集英社文庫)

石の血脈 (集英社文庫)

先日読んだイルミナティ(秘密結社モノ)*1がいまいち咀嚼できなかったので、和モノの結社ネタであればわかりやすいか?と思い読んでみた。作者は伝奇モノの大御所、半村良氏。


オハナシは「秘密結社」「ムー大陸」「吸血鬼」「狼男」「メガリス(巨石遺跡)」などなどが絡んだ謀略ネタも含んだ現代伝奇モノ。
上述のネタについて科学的演出や新解釈を加えながら主人公たちが「吸血鬼≒支配者」の世界に取り込まれていきます。


で、中身はというと、上述の「科学的演出」「新解釈」のところはフムフム、と面白く読めるのですが、お話の部分がちょっとメリハリが弱いというか、ここ最近のエンタメ系のオハナシの展開の緩急に比べると地味な感じで、ちょっと冗長に感じられる部分がありました(でも、何でもかんでも「地球・国家の危機を引き合いに出してドキドキ感を出す」ってのもアレなんで、このあたりのさじ加減は難しいなぁと思いますが)。

が、後半のクライマックスに来て、ようやく「どうなる?どうなる?」とドキドキしたけど。




うむぅ、それにしても結社モノを2つ連続で読みましたが、両者の作風なのか、最後がなんとなくスパッとした感じがなくて、すわりが悪い感じ。結社モノの特徴なのか、これらの作品に限ったことなのか…。
とはいえ、結社モノの3冊目を探すほどの気持ちはなく、とりあえず「いろんなネタを読んだなぁ」というところで終えようと思います。はい。