影踏み

影踏み (祥伝社文庫)

影踏み (祥伝社文庫)

「やるせない結末」が多く、いつも手に取るのを躊躇し、でも結局買っちゃう横山秀夫氏の作品。
今回はイイ!!!


裏表紙にあるあらすじを読むと「短編集」的な印象があったので、いつもの「やるせない感じの作品が多い短編集」と思っておりましたが、実際は同じ主人公が活躍する「泥棒ハードボイルド」の短編の連作でした。(でも最後はやっぱやるせないけどね)


主人公はノビカベと呼ばれる「ノビ師…人が寝ている間に家に侵入して泥棒する」。
そして、ある特殊な状況下にあり、「なんというスネーク!」という感じ。


設定はそんなマンガ的、ゲーム的ともいえる感じで、展開はきっちり推理+ハードボイルド。
横山氏の作風である「警察周辺事情のリアリティ」と「隙のない世界観・人物相関の構築」に加え、今までにはない主人公造詣で、かなり面白い仕上がりになっています。できれば「あの設定のまま」ずーっと続けてほしい気もしました。


あんまりいうとネタバレになるのであれですが、マンガ好き、推理小説好きにオススメ。
というか、(実写は当然のこととして)マンガにしたりアニメにしてもいいくらいだと思います(それが作者やファンが喜ぶかどうかは別として)。


面白いです。