郷四郎無言殺剣 妖かしの蜘蛛
- 作者: 鈴木英治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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無言殺剣第二部開始。「郷四郎」が頭につきました。黙して語らずの音無黙兵衛氏の本名だそうです。作中はほとんど出てこないけどw
前回出た1部の最終巻で、私が期待していた主人公の「過去」の記述量は思いのほか少なく、「伝奇色(それも隆慶一郎氏の作品に見られた「道々の輩」や「鬼の子孫」的な属性)」もちょい足りない感じで残念だったのですが(まぁ私が勝手に妄想した方向性とあってなかったというだけですが)、「成長物語」としてはいい感じで進んでいると感じました。
今回も、伊之助の見事な成長振り描かれつつ、それゆえ敵に狙われます。
で、「伝奇色が弱まったように感じた」と申しましたが、今巻では、ソレの感情が吹っ飛ぶくらい大ネタが入ってきましたよ! 戦国の尚武を受け継ぐとかそんな類の説明では納得できないくらいすごい使い手が登場。そういう意味では「この作品の流れに合わなくね?」と思わないでもないですが(新・餓狼伝並w)、話としては面白い方向に行っているのは確実なのでアリです。
確実に群像劇化しているこの作品。
以前も書いたかもしれませんが、ある意味バイオレンスジャック@永井豪にも「作品の作り」は似ているかもしれません。
続きが楽しみです。