緋色の囁き

緋色の囁き (講談社文庫)

緋色の囁き (講談社文庫)

先日、この綾辻氏の作品で、初めて手にした「新本格」というジャンルがなかなか面白かったので、再度綾辻氏の作品を手に取った。


でも、これ、推理モノじゃなくて、サスペンスモノでしたな。

名門女子高を舞台に、主人公が転校してきたとたん連続して起きる殺人事件。

それぞれの主要キャラ(というか被害者)の詳細が語られつつ、葬り去られていく様は、最近のスポーツモノ・バトルモノで、試合(あるいはバトル途中)で語られる「相手の過去を描くエピソード」のような感じで、ぐいぐいのめりこみます(でも、まぁ、語られた後に殺されちゃうんだけどw)。

そして、被害者同様「主人公」についてもいろいろ語られて、これまたぐいぐいのめりこむ感じ。


推理らしい推理はなく(最後のオチで、ああ、そういうことね、という感じ)、多分これは推理ものじゃなくて推理の名手が書いたサスペンスだと思うのですが、面白かったです。

新しい作家さん触れるというのは、いろいろ新鮮なものがあるなぁ。