生麦事件(上)
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/05/29
- メディア: 文庫
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篤姫関連読み第二弾。薩摩関連だし、ということで購入。しかし、コレ…
ルポ形式で進められ、「小説」というよりは「歴史資料」に近い展開。
特定の主人公を作らず、史実をただただ追う展開。
人物・場面は絶えず入れ替わるし、感情移入をするとかいうところは希薄だし、「楽しく幕末学習」なんて考えで読む気だったので、その心構えだとかなりキツイ。
しかし、「事実と思われることの羅列」であるがゆえに、幕末当時の緊張感はバシバシ伝わってきます。
軍事力を背景に強気な英仏米ら諸外国、政治的権力を持ち攘夷派と呼応する朝廷、武家社会への影響力の衰えが否めない幕府、そして雄藩薩摩、長州などなど、それらの勢力の動きが事細かに語られています。
篤姫は当然「主人公の視点」として、同じ時代の別の世界を描いているんで「さささ」とこの辺は進んでおりますが(小松帯刀(瑛太)が生麦事件の現場で呆然としたり)、当然「実際(というかこの作品の持つスタイル)」には、薩摩の意地や、外国勢の怒りや幕府の苦肉の策や、様々な人物の苦悩などが事細かに描かれております。
映画にしたらすごくいっぱいキャストが出てきそうだ。
といって、ふと思い出したけど宮部みゆき氏の「理由」も映画になったらどうなんだろ?と思ってましたが、やっぱ相当数出てますな
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=321366
さて、横道にそれましたが、そんなことをいいつつ、今ようやく上巻を読み終えたところ。
そんな感じなので、結構まじめに読んでいるのになかなか進まないんですが、下巻を読み進めますよ。