プロレス甲子園(2)
- 作者: 秋好賢一
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ということで、これまた「大食い甲子園」同様、<「プロレス甲子園」というモノがある世界>の出来事なんですが、やはり、大食い甲子園に比べると、ちょっとインパクトが弱い。別に比較するのが目的ではないのですが…
大食い甲子園が
1:大食い=アスリート=人気競技、という世界感
2:その世界にある甲子園、という設定
3:競技、かつ甲子園ゆえ、「大食い」の練習も試合もある、という展開
という3つの「IF」で構成し「大食い」「甲子園」という変な組み合わせの言葉のインパクトをさらに面白く見せる構造なのに対し
プロレス甲子園は
1:プロレス=人気競技、という世界感
>ではない? 現実世界での存在感に近い?
2:その世界にある甲子園、という設定
>だけど、特に人気がある風には言ってない感じ。
3:競技、かつ甲子園ゆえ、「プロレス」の練習も試合もある
>という展開だけど、普通の*1プロレスの練習風景。
という感じで、「ちょっと普通の変わった部活モノ」に見えてしまっているのが残念。
なにより、1の部分が物足りない。プロレス好きとしては、それが不満。
さらに1,2が成り立たないと「プロレス甲子園」ってイベント自体も成り立たないのでは?と思うので、そのへんのアンバランスさも気持ちが悪い。
実際の団体の協力を得て描かれているマンガなので、下手なことができないのかもしれないし、練習風景のリアリティも必要だと思うけど、それに終始しちゃうと、マンガとしての面白さが半減してしまうと思うのだよな。
もともとのプロレスが持つ「あいまいさ」や「ドラマ性」という特徴もあるので、マンガ全体の「リアリティ⇔演出」のバランスは難しいのかもしれないけど、ハナシを魅力的に見せるための「虚実の混ぜ方」ってのもあると思うし、すくなくとも「世界観」については「うそをつくなら突き通せ!!」というか「フィクションを描くなら、徹底的に!」と感じてしまう。
今のままだと、別に「プロレス甲子園」じゃなくて、「激闘! ○○高校プロレス部!!」とかいうタイトル*2でもいい感じだし・・・。
次の巻から県予選が始まるようなので、そこでどういう展開になるか(県予選がある=それなりにプロレス部員・人口が多い世界であることが描かれ、上記の1と2がてこ入れされる?)、期待したいと思います。
*1:普通の、という言い方が正しくなければ、奇想天外なトンデモロジックではない、という感じで。今回部長のジャイアントスイングの練習はアレは「トンデモ」ではなく「ギャグ」「部長のキャラ設定のためのネタ」だと考えます。
*2:出陣!!ムショ高排球軍みたいな