最近の最終回 バクマン。

ジャンプの製作過程の裏側を見せる斬新なお仕事マンガであり、熱血的な王道マンガでもあったけど、壮大な恋愛ファンタジーマンガでもあったというエンディング。


バクマン。は話題になる場合はどちらかというと、リアルというか、暴露というか、「ジャンプというマンガ雑誌のシステムネタ」を軸にした「お仕事マンガ」としての印象が強かったです。
今までぼんやりと「そんなもんだよな」と思っていたことを、内側から見せていくのはすごくリアリティがあってドキドキしたし、面白かった。
さらに、作中作を意識的に巻頭カラーのときとかに出したりして、メタ的というか「二重構造」で見るという新しい見せ方もして「ほら、現実のジャンプ本誌でもこういうのしてたでしょ」的に「バクマン。の中でジャンプのやり方」を再生産して見せたり。


そんな実験的な部分も見せつつ、同時に少年マンガ誌の王道的なライバルアリ、試練アリ、仲間アリ、って感じもほかのマンガに負けないくらいあって盛り上がりました。


で、マンガ的に見れば、成長していく主人公ってのは、感動の対象なんだけど、実験的に二重構造・メタ的視点で見せたことで「理屈ぬきで応援すべきマンガの主人公」であると同時に、「大人の事情も加味した著名実在漫画家の一人」として感じることもありました。


ということで、終盤の「恋愛ネタバレからの亜豆の声優オーディション」展開では「理屈ぬきで応援すべきマンガの主人公のサイコー」でもありながら「大人の事情も加味した著名実在漫画家のサイコー」でもあるので、「応援したい」けど「やっぱ無理なんじゃね?」とも思い、すごきやきもきしました。
これは、もう作風(というか向こうの作戦?)にすっかりハマった、ということなのかな?w

でも結論はご存知のとおりのハッピーエンド。
「リアル」も描きつつ、やはり「マンガ=フィクション」的エンディングでした。


それにしても、先週に結構キャラがいろいろ登場して「まとめにかかっている感」があったんで、そろそろだな、と思っておりましたが、今週はマンガの話はほとんど無しの「サイコーと亜豆の二人の回想と告白」で終了、と駆け足な感じで、ちょっと驚きました。



でも、そうして考えると「リアル」とか「マンガ=フィクション」とか、この作品をいろんな角度で見てやいやい言っちゃうのはおっちゃんの悪い癖でw、最初から「志を持って突き進む若者たちのモノガタリ」と考えれば、駆け足でもなんでもないんだよね。
だって、サイコーは「アノ状態」を実現すべく、ずーっとがんばってきたんだから。


ちゅうことで、リアルだなんだという「演出」が最後まで効果を発揮しつつ、ココに壮大な恋愛ファンタジーが終了したのだなぁ、と思ったのでした。


大場先生、小畑先生のご両名も、亜城木夢叶のお二人も、そのほかの登場人物の皆さんも、お疲れ様でした〜