山彦ハヤテ

山彦ハヤテ (新潮文庫)

山彦ハヤテ (新潮文庫)

面白おかしく柔らかい語り口調や、艶っぽいエピソードも差し込んで、落語的な雰囲気を持つ米村作品も、ラジオ+ポッドキャストブームで縁遠くなり、年末年始読書で久々の接触


さらに、おなじみの姫君・冷や飯ではなく、野生児っぽい主人公の作品で、新しい切り口?ということで期待して着手。


主人公は、不遇な家庭で育ち、結果として山に隠れ住む自然児ハヤテと、お家騒動に巻き込まれた若殿様。

ここまでいえば、「そんな米村作品」といえば、もうオハナシの展開はわざわざいうこともないと思うんだけど、キャラ同士のやり取りは、全体を通してぼんやり落語調のホンワカムードなんだけど、変なところで急に時代小説的リアルさというか、武家社会の殺伐さやドライさが出てきてドキっとするのは米村作品ならではかな。

このギャップというか、逆にそれがリアルな世の中ってのが米村作品の魅力なのかも。
続きも出ているようなので、また読んでみようと思います。