「無限連鎖」感想

無限連鎖 (文春文庫)

無限連鎖 (文春文庫)

楡周平氏の作品は「Cの福音」から好きで、視界に入って文庫なら(貧乏性かつ焦らない。でも「朝倉恭介 Cの福音・完結編」は久々に小説をハードカバーで買ってしまった・・・)速攻買ってますが、今回は土曜出社の前のメシ調達の本屋と併設のコンビニで購入。

あ、ちなみにコミックバンチの「青狼記」の原作者さんです。

ネタは「テロ」。9・11以降の現在。「ビンラディン」をズサンと卑下し、超計画的、かつ的確にアメリカを痛めつける「テロ」を実行する一団。Yumiko!! 大丈夫か!?

てなことで、その一団の次のターゲットは日本。それ以上はネタバレになるのであれですが、日本へのテロに至るまでの「日本の抱える危機的状況」は大変にわかりやすく、「おわ、やべ!!」とか思うのでした。でもなぁ、途中途中の登場人物の対応がゆるく感じたのは私だけでしょうか? 作者自身も、作中で「過去に人命を尊重しテロリストを解放した国、日本(よど号事件ね)」と、登場人物の口を借りて、その「価値観=ゆるい」について述べてます。でも、そうは思いつつも、途中でテロリストの野望を潰えさせたら、日本の危機的状況を指摘するこの話が成り立たんわなぁ、と思う。そういった「ユルさ」を作者も自覚しているのか、シメはその反動が出てたような気がします。

シメ的に、どうも続きそうな勢いなのですが、またココで次は川瀬(@クラッシュ、クーデター)が出てきたり、朝倉(@Cの福音)が出てきたりしませんか? そういった仕掛けが好きそうだし、今回のテロリストは「Cの福音シリーズ」とは別の勢力なので期待してしまうのですが。

てなことで、この作品よりは「Cの福音」がオススメ。「ガリバーパニック」も好きだけど。