退屈姫君 海を渡る

退屈姫君 海を渡る (新潮文庫)

退屈姫君 海を渡る (新潮文庫)

時間軸的には、3作目に当る「面影小町伝」より前に戻る4作目。ウチの嫁も気に入っている「姫君伝」のシリーズ2作目です。というよりは格ゲーの「VS」とか「●●スペシャル」みたいな感じで「1(風流冷飯伝)&2(退屈姫君伝)の混合戦」というところか? テイストは、姫君が主人公ですから、落語のぼんやり感漂う作品となっております。


海を渡るッつーから・・・と思いましたが(略)、それはご愛嬌。
またしても巨悪に立ち向かうぼんやり姫様一行の落語的展開がイカしてます。大筋は当然の「御家の危機」×「ぼんやり」ですが、最終的な決着方法は(退屈姫君伝もなかなかでしたが)、なかなかクレバーでいい感じ。リーマン的に納得というか、驚きの解決方法です。はやく次の文庫作品が出ないかなぁと、期待する作家さん決定です。オススメ。