日本軍艦戦記

まぁ「男たちの大和/YAMATO」絡みの便乗出版だろうと思いましたが


とはいえ、先日からの「戦記モノ購読ブーム」だったりしたし、例のごとく太平洋戦争の現場の詳細を知らないので読んでみた。
巻頭言は「二度とあの過ちを繰り返さない云々」的なことが書いてありましたが、文中はやはり「戦争への(正確には軍隊(生活)への?)プラスな思い入れ」が多少感じられました。
そういうスタンスを否定する気はありませんが、あの戦争では日本は悪者だし、さじ加減て難しいよなぁと思いました。


日本が戦争でどうだったか? という大きい話とは別に思ったことが3つ。

1:やっぱ「将校クラス」が振り返ると<「あの時代の出来事」もいい?思い出>なのかなぁと感じました。
>当時、実際に戦場に立たれていた方のコメントが、なんつーか、そーいう戦争の悲惨さとかこんな若造に言われなくてもわかってるくらい実感されていたかと思うのですが、いわゆる「青春の思い出」のように振り返っている風に感じました。それは「平和な時代」に生まれた(青春時代をすごした)ものの特権的?一方的?感想なのかな?

2:やっぱ「いまいちな上役」ってのがいたんだなぁと思いました。
>この本における情報の伝え方(というか、私の太平洋戦争の海戦に関する主な情報コレだけ)というのもあるかと思いますが、なんとなく本を読んだ自分でも、それは負けちゃうよな、というような行動を取られる方がいらっしゃったようです。

3:士官学校を出るときの成績ってずっと公表されるんだぁなと。
>名将コラムみたいなのがついていたのですが、卒業時の成績が、何人中何位、というのがきっちり出てました。そういうの残ってるんですな…。


あと、現在から過去を振り返るがゆえの「それは負けちゃうよな」という結果論的な自分のコメントかもしれませんが、<時代の空気>が「そういう客観的な観点」を凌駕しちゃうことってあるんだよなぁと思いました。
今も<株で儲ける>とかって、眉唾だよなぁと思うけど、やってる人とか多いみたいだし…。株と戦争を同じレベルで言うのもよくないかもしれないけど<時代の空気>って怖いなぁと思います。

まとまりませんが、この辺で。


付記:時代としては「戦闘機(直接的高速攻撃兵器)>戦艦(攻撃できる巨大な大砲は持つものの、海の上では機動力の無い戦闘機の標的)」というところに来ていたのに、上層部には「戦艦>>>>戦闘機」という概念の方も多かった、ということがあったようなので、今度は飛行機系の戦記を探してみようと思いました。見たからって何だって事でもないんですけどね・・・。
それはさておき、こう、それなりに社会人として年をとると、「○○(艦名)は、どこそこで撃沈」という客観的で簡潔な文章からでも「戦時中」「不特定多数の一般兵」という要素を勝手に加えて想像をするだけで、数多の悲劇がそれぞれの艦、組織、家庭に起きていたんだろうなぁと感じられ、切ないです。