覇-LORD (5)

覇 5―LORD (ビッグコミックス)

覇 5―LORD (ビッグコミックス)

池上遼一氏×武論尊氏版三国志。ココ最近のマンガ界に置ける三国志ブームはいったん収束した感がありますが、この作品はトンデモ度を維持しつつも、この両巨頭の作品ならではの展開!! やっぱこの二人すげえ。(でも、以下の感想、正直「賞賛すべき部分」がネタバレに直結するんでご注意)


4巻の感想*1でも書きましたが、通常の三国志演義での「キャラ+役割(つーか性格?)」が、シャッフルされて、「このお二人の三国志」が形成されているのですが、その、「このお二人の三国志」レベルがさらに拡大。三国志で後発の主要キャラの出自においてまでスゴイことになっています。シャッシャ先生はあいつの紹介だし、関平たんにいたっては父があいつで母が…という最強のサラブレッドだし。
ホントに「三國無双を見て腹を立てる本当に三国志好きな方」にはオススメできませんw
三国無双以上ですわ。さすがメジャー作家コンビ。


でも、これは単なる「トンデモ三国志」ではなく、今後の「我々の知っている三国志」を「連載マンガというサイクルのドラマとして深く描いていくための仕込み」なのだと思います。
センゴクヤンマガでは「正史」とは異なった解釈で、通常の(というか既存の)時代物と異なるシーン・ドラマを描こうとしてますが、この三国志もさらに「結末は知ってるけど、過程を楽しませるために、仕込んだ毒(毒というと語弊があるかな。爆弾、という方がいいかも)」なのだと思います。
大御所ならではの「外野の声」を気にせずにできる「物語全体を最高にするためのテクニック」としての「トンデモ」だと思いますので、今後も期待します。
でも、ホントココまで盛り上げておいて、HEATみたいな終わりはナシね