ハッスル・エイド2006感想

いやぁ、本当にトータルで見て、いい試合、いや興行、というかファイティングオペラでした!!!
てなことで、ハッスル・マニア2005以来の、生ハッスル観戦の<そこそこ格闘好き>の感想。
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↓今回の最大の目玉。高田ならぬザ・エスペランサー

イントロ

RGM登場。言っていることは面白くないし、ウザイけど、みんながウザイと思ってブーイングなりをするので、コール&レスポンスが成立。それなりに盛り上がる。

そして「有田は要らない」的なことを言ったときに有田登場。自腹で高田総統のコスで登場。こもったしゃべり方はもちろん、あの微妙な間も再現。「話を先に進めよう」という台詞も、ウザイRGMのアクション・レスとかっちり合っている。面白い。そんで、高田総統ならぬ高田本部長の物まねもして「出てこいやー」で開始。



第一ハッスル
ハッスル仮面軍vsモンスター仮面軍

以前見たときはハッスルのジュニアのレベルの高さに感心したものですが、今回は「ジュニアの試合の魅力」というよりは「ハッスルのシナリオの魅力」という部分が強調され、試合展開としては「個々の選手の技術」というよりは「団体戦の楽しさ」「キャラの絡み方」の方が強かったような。
一応「レッドのリベンジ」ってのがテーマだったので「レッド」やられまくり。
キャラとしては「一時期の曙並のレスポンスの悪さ」を髣髴とさせる「イエロー」に声援が集まる。
終盤は「4キャラの連係プレー」で巻き返し。最後はハッスル仮面軍の4人の連携技でシメ。試合全体としては「ジュニアらしい技」が少なくて、ちょっと残念でしたが、最後のレッドのシューティング・スター・プレスはソレまでの「ジュニアにしては華麗な技が無くて泥仕合っぽい感じ」を払拭直する感じでしびれました。
勝利後も4人がコーナーポストに上がり、それぞれ華麗に舞って勝利をアピール?と思ったら、キイロが普通に降りてオチ。

ふと思うに、この試合の「選手の来歴や実力をキッチリ把握できていない」ということや、「思い入れが多くない」ということ、「色=見た目でわかる設定」といった、こういう試合のほうが、決してプロレス好きばかりが集まるわけではないハッスル的には適しているのかな、と思いました。今回はキイロ(見た目太めでパワーキャラ=いわゆるヒーローモノ、マンガ的な文脈としての役割が、容易に想定できる)に声援が集まってましたが、本当にわかりやすいアクションでした。その結果、声援の量と言う観点では、全試合の中でもほかの試合に遜色が無かったように思います。
キャラ・団体の細分化が進み、その中での人気の出し方を模索するプロレス業界の中で、あえてシンプルなものを提供して「プロレスファン以外も巻き込んでいく」という動きなのかなぁ、と思うと、とても納得のいく設定です。



第二ハッスル
ハッスルタッグ選手権:坂田亘&崔領二vsERICA&マーガレット

細かい因縁は把握しておりませんが、まずはビデオ(スクリーン)で復習。
試合開始早々に男子が先手必勝とばかりに攻撃。
女子側の実力も十分把握しておりますので、「坂田ケガアリ」だと女子が勝つのかなぁと思って観戦。
試合運びは、それでもやっぱ「男子優勢」な感じ。というか、坂田容赦なさ杉w。顔面への攻撃が連続します。それでも女子も相当な選手ですので、悲鳴を上げつつも、ケツを押し付けるなどの「男女のバトル」を必要以上に意識させる技でキッチリ対応していきます。
終盤ハートマークの一斗缶が登場し反撃の狼煙。崔にチュー攻撃を仕掛けて、(まぁいつでも出来ると言えば出来たともいえる)坂田の足への攻撃(関節)。これで坂田ギブアップ。単なる試合ではなく「男子対女子」というハンディキャップや面白さを十分に意識させつつ(周囲の女子観客(多分あまりプロレス好きじゃない感じ)からは何度も「ひどーい!」という声があがっていた)試合を構築できていたと思います。いい試合でした。試合後の坂田の発言はあちこちで述べられているので割愛。ひねくれたマンガ読みとしてはあの展開はまぁ普通なので。
で、やっぱむしろ焦点は女子。最後も「イケメン以外とは試合しない」と宣言。さらに「ハッスルメンバーじゃ多分だめかも」的な発言。これでドラゴンゲートとかから選手が来たら面白いなw まさか棚橋とかは来ないと思うけど、来たら楽しいな。吉江でも面白いかも→イケメンじゃなーい! と怒りつつ試合とか。いずれにせよ、今後の彼女たちに期待。

で、今回思ったのは彼女たちの入場曲(花の子ルンルンのアレンジ)。曲に最初から「観客のコール、というかバックコーラスか」がキッチリ入ってんのね。最初素で聞いて、コールすげぇなぁ、と思ってましたが、よく聞いたら最初から入っている様子。「ドリフの大爆笑」の「おばちゃんの笑い声」みたいなもんで、思わずつられて言いたくなっちゃう演出だなぁ、と思って感心しました。



第三ハッスル
小川直也&カイヤvsジャイアント・シルバジャイアント・バボ

あまり期待していなかった試合。小川だし、カイヤだし…。
そんな空気を意識してか、セクシー衣装のカイヤが登場した後に、カイヤの車を壊すというイベント発生。またその車が「カイヤはそんな車乗らないだろう」というしょぼいダサい車で、さらに、怒りの演技をするカイヤ+必死に抑える小川の演技にさらに萎える。
そして試合開始となるも、さすがにジャイアント・シルバにはカイヤはかなうまい、と思ってみてたら案の定及び腰。どこまで小川がフォローするか、と思ったけど、そんなに小川も活躍せず、しょぼい展開。
というか、そもそも特訓中に「ボクシングを選択」している段階で間違いでしょ。蹴りや絞め技のウェイトを増やすべきでした。だったら「勝とうとしている」ってのが伝わってくるけど、身長・体重差が極端にある相手にボクシングじゃぁねぇ。最後はシルバが飛んでカイヤを圧殺。終了後のコメントもなんだかイマイチで、「シルバ、大変だったね。おつかれさん」てな感じで終了。
そう考えると同じ素人の試合としては「和泉元彌VS鈴木健想」ってすごかったなぁ、と改めて思いました。



第四ハッスル
チーム3D(ババレイ・ディーボン・スパイク)vs金村キンタロー田中将斗本間朋晃

自分の中では「愉快な登場パフォーマンス」「ハッスル、新日でがんばってるおにいちゃんたち」「でも、今年の正月の新日の試合はいただけない」であった、金ちゃん一派でしたが、今回の試合でかなり好感度アップ。「魅せる」という意識・展開における本気度が十分に感じられました。全選手すごかったです。今回のベストバウト(というかショー)でした。←褒め言葉。

さて、試合はというと「勝負」としては体格差もあり、3Dの圧倒的な強さが目立ちます。そういう意味では、末弟スパイクがいい感じでバランスを取ってました。「弱そうだけど大丈夫?」と思ってたら、やっぱり弱い!! 3Dを良く知らない自分は「彼はなんでいるのだろうか?」と思ってたけど、ソレがわかったのは3Dの攻撃のとき! フラフラのきんちゃん一派を花道脇に並べ、そこへスパイクを投げ込む! 魁! 男塾の七牙冥界闘編の片方を振り回して攻撃する兄弟(宝兄弟?)(ええと富樫と虎丸が戦った相手で、富樫が鉄仮面をかぶせられちゃって、苦労するんだけど、やられてその意思を次ぐべく虎丸もその鉄仮面を被って相手に勝つ話)を思い出しました。
そして「ハードコア」ということで、金ちゃん流血+場外乱闘も半端じゃない。3対3なんで、会場をくまなくフォローする形で、展開。我々の前には血だるま金ちゃんが来ました。さらにはもっと上の席まで行ってやりあい。こんなに近くで何かが起きたのは初めてです。帰り際に「私の服に血がついてたら、それは金ちゃんのだよねえ(はあと)」という女子の会話も耳にしましたが、でも、なんか近くで乱闘されるととても得した気分。
そして極めつけは「道具」の数々。
いす、机、鉄条網バット、ギターは当然のこととして(いや、当然というほど当然じゃないけどw)、脚立、チーズおろしはすごかったなぁ。嫁は「この絵だけ見たら、何の写真かわからないよね」と嬉々として写真を撮ってました。

本当に双方、魅せる展開を十二分に繰り広げてくれました。で、勝敗は見事な連携技で3Dの勝利。やっぱ単純に強さと言う面では3Dは圧倒的でした。でも金ちゃん、田中たちもがんばった!
最後に会場のこどもに割れた机の一部分にサインをしてプレゼントするなど、ファンサービスも充実。退場の際も「礼」をして去るなど、かなりいい選手だなぁと思いました。洋物に興味出ちゃうかも。(洋物の方がマンガチックだしね)



セミハッスル
HG&小島聡vsソドム&ゴモラ

小島!ってなことでかなり会場が沸く(ただし格好はいつもの格好でした)。さらにソドム&ゴモラも「犬キャラ」として「しゃべらずにハウ!ハウ!ハウ!」とか言ってユーモラスなところを見せて盛り上がる。最後は真打HG登場で、かなり会場は盛り上がる。
スタイナー兄弟やロードウォーリアーズなどを髣髴とさせるポージングをするソドム&ゴモラに対して、HG&小島もHGのわいせつポーズに小島があわせたポージングを。小島ちょっと照れつつもいい感じ! 自身のブログで「ハッスルできたかな?」とおっしゃってましたが、十分ハッスルできたと思います。
さて、試合はというと、小島はちょいと押さえ気味だったか? さらにソドム&ゴモラもなかなかの試合上手で、予想以上に面白い試合。さらにそこにHGが相変わらずの芸人らしからぬ「キッチリとしたプロレス技」(コジとの連携もバッチリ! )で、さすがだなぁ、と思いました。さらに、彼らしい技(PWなど)も繰り出して、「彼の試合」を構築していました。
※カクトウログさんは

ソドム&ゴモラの受けがHGの技を引き出していた。

と述べてましたが、確かにそのとおりかも。

最後はちょっとしたアクシデントもありましたが、無事HG勝利。
最後のトークでは、「小島:今後は一人で」と、今回限りの登場を匂わせつつも、HGのシモネタを断り、「どーしても困ったら呼んで」と今後の展開も意識させつつ退場しました。
いやぁ、今回<最後のあの展開>を除き、一番盛り上がったのではないでしょうか?



メインハッスル
大谷晋二郎&TAJIRIvsニューリン様川田利明

試合前に、川田+インリン様の絡むVTRが流れる。川田の演技にくすくすし、TAJIRIの怪演(後楽園ホールのを再放送)に大笑い。しかし入場してみると、結構静か。ある程度情報・歴史を把握しているプロレス・ハッスル好きには「好カード」なのですが、普通の試合に比べて「ためしに来てみたお客さん」が多いと思われるハッスルでは、あまり入場シーンで盛り上がらず。TAJIRIも単なる変な人、と思われたか? さらにニューリン様の入場もなんか一部だけ盛り上がっている感じ。

で、試合といえば、もう焦点は「ニューリン様VSTAJIRI
適度に川田の強さが見えつつも、やはり、注目はTAJIRIなんだよな。
S女王様とM奴隷という印象以外何も残さないきわどいシーンwもありつつも、最後は因縁のグリーンミストとムチの応酬。すさまじい攻防がありつつも、最後は予言どおり「マスクはぎ」。ニューリン様一派は、タイムボカンシリーズの悪玉トリオのように退場。
でも、最初から傷の設定は言ってた訳だし、そんなリアクション取らなくても、と言ったら嫁に「それが乙女ゴコロなのだ」と言われました。そうか。
してやったりのハッスル軍一同リング上へあがってトーク


しかし・・・
(って、こっから先はもう皆様、あちこちでご覧になっていると思うので、事実はサックリと、感想濃い目でw)


エキストラハッスル?
ザ・エスペランサーvsTAJIRI

いやぁ、本当に驚いた。
ここまでの試合がなんとなく「マニア」に比べて不完全燃焼だったので、まぁこういうこともあるよね、的なあきらめにあったのですが、本当に驚いた。会場もシーンとしてましたもん。

で卵から登場し、フードを被りつつ花道をあるく、正体不明の人物。
T=天竜?(あるある!)棚橋?(そりゃないか)とか思いつつも、けっこう背が高い。嫁と「誰だろ誰だろ」なんて言ってたら、なんと高田!(の友人である高田総統の化身)。
高田の曲というのは私は良く知らなかったのですが、カクトウログさんは曲がかかった段階で鳥肌が立っていた模様。この辺で「その知識の濃淡を問わず観客を巻き込むシナリオ」として秀逸であることを改めて感じる。

そして、ロボットのようにぎこちなく動くザ・エスペランサー。プロレス好きならベイダーだけど、一般の人なら「偽○○(ウルトラマンとかライダーが入る)」を髣髴とさせるマスク。顔を見てどよめく会場!
さらに、今日は顔見せ?と思ったらゴングが! 会場さらに騒然。シーンとなっていたのが、どよめきから一気にオーバーヒートな過剰な盛り上がりへ!!

そして強さ的には、ドラゴンボールで言うところのフリーザだったり、トランクス(剣を持って初登場のときのね)だったり、あるいはKOFのボスキャラ、FFやDQの「変身・変体」した後のボスキャラという感じで「段違いの強さ」を過剰に演出する試合展開。まことにマンガ的であり、面白い展開。
基本的に「動かない」が技を受けても「動じない」(これがマンガ的)。しかし動いたときは「高速キック」というものが「マンガ的で誰にでもわかりやすい展開」でありつつも「高田の強さを彷彿とさせるプロレス好きへ向けた展開」。これまた「その知識の濃淡を問わず観客を巻き込むシナリオ」と感じる。すごい。

いやあ、帰りにカクトウログさんと話してましたが、最初から「これを出すために」「タマアゴ」を配置していたとしたら、スゲーと思うわけで。
でも邪推すると、最初から仕組んでいたのか、例のゴタゴタがあったからミラクルなシナリオが出たのかなぁ(あるいはいつか出すつもりだったものを早く出したのかなぁ)とも思う。

いずれにせよ、今回のハッスルは「その場の満足」もさることながら「続き」も気にさせる最高の展開でした。


しかし、残念なのは終わり時間。この楽しさを仲間と酒を酌み交わしつつ語り合いたかったですが、終わったら10時前。家に着いたら11時だもんなぁ。まだ横アリなら比較的近いのですが…とか言うとそれはファンのみなさんそれぞれ事情があるだろうはずなので、やっぱ始まり時間を早めて欲しいですなぁ。