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マンガ週刊誌の巻頭マンガだけをピックアップした、サラリーマンのマンガ感想文「巻頭さん」です。今週は全部漢字タイトルだ。

週刊少年ジャンプ(34号):斬
週刊ヤングマガジン(34号):彼岸島
週刊少年サンデー(34号):結界師
週刊少年チャンピオン(34号):範馬刃牙




以前読みきりでありました「帯刀」「決闘」がアリアリのチャンバラ「現代」劇。
主人公は、そんな世の中で気が弱くてスキルもないへたれ。しかし彼の扱う刀は、重くて堅くて<斬れない>研無刀。亡くなった父親が、その研無刀の遣い手で有名な剣豪だったので父を目指したいようなのですが、さてどうなることやら。



彼岸島

旧日本軍の開発した「吸血鬼ウィルス」に汚染された島を舞台にしたホラーアクション兼、吸血鬼軍団との戦いを描いたバトルモノ。出てくるモンスターは「吸血鬼」というよりは「奇怪クリーチャー」という感じで独自の世界観を形成。
最初はだまされて連れてこられて逃げる一方だった主人公達ですが、現在は吸血鬼軍団に対するレジスタンス的な組織に身を投じ、彼らの支配体制を壊そうと画策中。でも、最も頼りになる「主人公の兄」が吸血鬼軍団に入ってしまい、対決することに…。(奇しくもこちらもチャンバラバトル)



結界師

「結界術」を駆使して「妖」を退治するバトルモノ。主人公たちはその「技」を駆使して聖地を妖の手から守ったりしているのですが、現在は別のロジックを持つ術師との邂逅で、チカラの使い方を悩んでいるところ。



範馬刃牙

言わずもがなの格闘マンガ「グラップラー刃牙(バキ)」→「バキ」→「範馬刃牙」とタイトルを変えつつ連載継続。詳細はリンクで。現在は、地上最強の生物である父親「範馬勇次郎」を倒すために、強敵とのバトルを望み、知人(服役中)が君臨するアメリカの刑務所へ。そこの看守である3人組が「3人ならではの攻撃法」で、1人の猛者(ボクシングのヘビー級チャンピオン)を倒しますが、そこへ2人目の猛者(実践格闘技?)が登場。



★★★総評

絵は目も当てられないのですが、まぁ、そのうちうまくなるのかな。
ソレよりも気になるのは「チャンバラバトル」の設定や表現方法。バシバシ斬り合うのは派手でいいんですが、「おめーソンだけの攻撃受けて血が出て「痛い」とか「生きてる」とか言ってる場合じゃないだろ。即死だろ。」って感じで、なんだか凄まじくリアリティがなさ過ぎて、すっごく気持ちが悪いです。バトルモノのマンガの場合、「打たれ強さ(致死量と思われる攻撃でも生きてる)」は必須ですが、描く「傷」「血の量」にも限度があるかなぁと思うのです。設定も中途半端で「武士」がどうたら言ってるのに、平気で後ろから切りかかってるしw、絵のイマイチさもあいまって、なんだかすっごく<お金取らないで、自分のノートに思いっきり描いてね>って感じです。(多分、ある程度重量感のある書き込んだ絵でやられると、まったく同じ話でもなんとか読める気がするんだけどね。男塾とかもそういう意味ではスッゴイ馬鹿馬鹿しいけど「絵の圧力・説得力」があるからするっと読めるんだと思う)
さらに言うと「刀の重さ」とか、その辺の描き方の話もあったりして、チャンバラ好きのオッちゃんとしてはかなり「不満要因」の多い作品でした。っていうか、褒めるとトコロがないですな。成長がないようであれば早く終わって欲しいです。



彼岸島

さて、上で「斬」のチャンバラシーンがばっかばっかしー、と言いましたが、この彼岸島も今まであったいくつかのチャンバラシーンは不満不満不満。上と似たような話になりますが、演出としての「うそっこ描写」はありだけど、萎えさすレベルの「とんでも描写」はイクナイ。(今回の兄とのバトル「薙刀VS刀」も物理法則的に「どんだけ握力あるんだよ!!」とか思うことが頻繁にありました。すごい「見切り」とかは許容なんだけどなぁ)
っていうかアレにOK出している編集部がいるってことだよね。で、それに金を払っている我々がいるわけで、なんだかとっても悪循環な感じ。てなことでココで「トンデモ描写、かっこ悪い」と言ってみる。終わり。



結界師

アニメ絡みの巻頭さんということで、話としては「盛り上がり最高潮」というよりは、普通の成長シーンのひとコマ、という感じ。「いつのまにかに秘技習得」というよりはこうやって丁寧に描いてくれるほうが個人的には好み。後は体系立てられて説明された方がわかりやすいし、主人公や世界観に馴染みやすいと言うのもありますな。今からでもオススメしたい好作であると、再度言わせていただきます。



範馬刃牙

なんだかこの手のパターン(格闘技と言うレベルから離れたレベルでの「攻撃」を織り交ぜる)を見たことがあるような。でも、ゲバルの作戦は理にかなっていると思います。個人的には「ひと攻撃蔵って反撃」というのが王道だと思うのですが、彼の「実戦での強さ」を描くためには、こういうほうが際立つのも確かなので、まぁ良いかなぁと思います。
ゲバルはけっこうあっさり勝っちゃうのかなぁ。


てなことで、この辺で。