鳥かご 父子十手捕物日記シリーズ

鳥かご―父子十手捕物日記 (徳間文庫)

鳥かご―父子十手捕物日記 (徳間文庫)

なんだ?このジャケ? と思ったけど、読んで納得。


ほぼ連続のご紹介となりますが、鈴木栄治氏の「父子十手捕物日記シリーズ」5作目です。(オススメ)

で、ジャケの話ですが、今までの鈴木氏の作品は「重兵衛」やら「勘兵衛」の百鬼丸氏のイメージが強いので、主人公は「きりりとしたいい男だろう」なんて思ってたんですが、この「父子十手捕物日記シリーズ」のジャケはちょいと雅な(優男?)タッチなので、「?」と思うことがないではない。

でも、この雅なジャケはこの親子、そして作品に合っていると思うのです。


まぁジャケの話はそれくらいにしておいて、今作の感想。前回親父殿である丈右衛門氏はもっぱらサポートに回ってた感じでしたが、今作では結構出番アリ。息子もなかなかの好男子ですが、オヤジもなかなかの人物です。(ああ、こんなオヤジになりてぇなぁ)

若者は若者で恋の鞘当をしておりますが、オヤジはオヤジで悩んだりと(でも確かに真っ当なオヤジなら躊躇する状況ではある)やっぱこの作品は「父子の連携」が面白いのだよな、と改めて思ったり。

で、今回のクライマックスは、落語好きな私としては「口半鐘」。そのまま落語のネタにしてもいいくらの出来(すいません偉そうで)。「半鐘はいけないよ、オジャンになるから」とかその辺の「ぶち壊し」をするためにこのネタをもってきたのではないかと妄想すると余計に鈴木氏贔屓になってしまいそうですw*1

いやぁ、本当にこのシリーズ好きですわ。
鈴木氏の作品は好きですが、今までの作品の「ユーモラスな部分+人情部分」を特にピックアップしたようなところがつぼにはまったように思います。

本当にオススメ。

次作も読まねば。

*1:ってわかりにくいですね。きっと。火焔太鼓ってやつです。あらすじはこちら※音出ます。→http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug293.htm