皇国の守護者(4)

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

私が戦争関連の本を読むようになったきっかけの1冊。今巻でもまた…。


・戦争はかっこいいものじゃない。
・真面目な隊長は大変だ。
・憎悪は拡大する。


と、端的に言うとこんな感じ。
そしてこの状況・感想は「このマンガのスタートから、そして読み始めてからまったく変わっていない」。
それでいてキャラは次々と死に、隊長になった主人公は苦しい思いをする。


ああ、そして何より今巻は後半の「敵との邂逅シーン」が、これがまたなんともやるせないニャー(ドルバッキー風に)。


そして、そんなことを言いながら私はなぜこの作品を読むのか。
同情に近いのか? 自分よりひどい目にあっている人を見たいからなのか?

彼がそんな状況をどうしてくれるのか?
彼がどのような「体制に対する反撃」を示してくれるのか?
を期待するから。


とはいえ、そうは言ってもやっぱ「マンガ」だし、「フィクション」だし、「他人事」だったりするので、諸々浮世のやるせなさを「代理戦争」して(させて)るようなもんでもあるので「否」といいつつ、「ウサ晴らし」というか「チミも大変だよな」という同情的感情も否定できないのだよな。(戦争に対して、ではなくこの作品に対して、ですが)


そして、「戦争という作法」にのっとっているので、わにとかげぎすヤンマガなどの古谷実氏の作品のように「まったく意外な悪い展開」というのもないし、「想定こそしないけど、素直に驚ける」とか、「成功かどうか」がイメージしやすいので「素直に作戦を評価できる」ので評価している、という感じか(といいつつ、後半のその「敵との邂逅」はちと驚いたが)。


先日も似たようなことを言いましたが、歳食ってきてマンガその他のフィクションに求めるものが「アコガレ(未知)」に「共感・同情(既知)」が確実に加わってきてるなぁと改めて思います。
年配の方が水戸黄門とか定番時代劇を好きな理由がだんだん身をもってわかってきたよ。
あとストーンズとかビートルズとか、アコギだったりディストーションだったりも。
ビックコミックあたりを買うようになる日も近いか?w


ところで、島耕作とか働きマンとかにも微妙にこの「アコガレ」「共感・同情」ってのがあるのかな?

今更島耕作は読もうと思いませんが、働きマンは読んでみようかな?
最新号のコンティニューは働きマン特集でネタバレになるなぁと思って、ほとんど手を付けてないしw


大きく話が逸れましたが、
悲しい?厳しい?現実感と、戦場の緊張感を上手に描いている好作。オススメ。