邪眼は月輪に飛ぶ
- 作者: 藤田和日郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: コミック
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「うしおととら」「からくりサーカス」の藤田和日郎氏の「1巻で終わる」作品。
巻末の作者の手による「後記」にもありますが、初の1巻本、ということで、その中身はどうかというと、1巻本ではありますが、短い期間に濃い背景を持つキャラたちが織り成す壮大なモノガタリ、でした。
あんまいうとネタバレになるのでアレですが、
最初の設定も「史上最強ともいえるかなり驚異的な敵」が登場するあたりもモノガタリに緊張感を与えていて、すげーなー、と思います。
途中の展開も「じっくり練られたんだろうなぁ」と感じる「きめ細かいキャラ設定」。
決着の付け方も「あかちゃん泥棒*1」で感じたような(ネタバレを避けるため比喩のようでいて比喩が成立しない言い方にしてみたw) ホンワカでいて、「この先」もイメージさせるナイスエンディング。
強いて言うと「父娘」の和解(というか娘の理解)の部分が他に比べて「スピーディー」に感じたのがマイナスかな。
でも、そんなあたりも気にならないほど、全体としてはとてもよい作品だったと思います。
オススメ。
※サクサク読んじゃうと「ハリウッド的アクション作品」という印象しか残らないのでダメ(私も最初は酔ってパラパラ読んでいたらなんとなく普通に感じて、ラストで「お!」と思って読み返したら、ググンと評価が上がった次第)。じっくりコマや台詞をかみ締めて読みましょう。
*1: