たちの悪い話
- 作者: バリー・ユアグロー,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 単行本
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まぁ確かに「たちが悪い」けど、「ブラックユーモアを含めた文化の違い」なのか、ちょっと「おもしろい」という感覚からずれました。
短編集なのですが、やたら登場人物がひどい目にあって(主に死ぬ)、たちが悪いかといわれれば「良くはない」けど、登場人物が死んだら何でも「ブラックユーモア」「毒(のある話)」かと。
ふと、先日聞いた筋肉少女帯の「モーレツ ア太郎」の歌詞、
狂えばカリスマか 吠えれば天才か 死んだら神様か 何もしなけりゃ生き仏か
を思い出しました。
ちゅうか、幼児がごっこ遊びとかで、何でもかんでも「死んじゃった」とかいうのに近いよな。
でも、巻末の解説を見るに、これって、児童書(10歳以上)としてアメリカで出たもの、とあり。
仮にそういう立場なのであれで「死を含むバッドエンディング」に執着する意味、「作者から少年少女へのメッセージ」として、わかるような気がする。
「世の中様々である」ということを知らせるオハナシだと考えれば、こんなもんか。
そしてまた、筋少のドルバッキーの2番を思い出したりw
原題は「NASTY BOOK」ということで「たちが悪い」っていう訳もできるけど、多分作者の意図としては「むかつく」とか「不快」っていうあたりのニュアンスで使いたかったのではないかと思います。(児童書の棚に置くには、ソレくらいのタイトルの方がインパクトあるし)
(邪推すると)でも、出版社側がそれだと売れないから「ブラックユーモア」とかいう風に含みを持たせて見せるためにこんなタイトルにしたのかな?
いずれにせよ、イイ年したおっちゃんが読んでニヤニヤするような「ブラックユーモア」ではありませんでした。よっぽど「巻末の解説」にあるエピソードの方が出来がいい。
星新一氏の作品群の方が「最初から大人向けに書かれている」のでいいですわ。