平安妖異伝

平安妖異伝 (新潮文庫)

平安妖異伝 (新潮文庫)

作者は(未見ですがいつか読もうと思っている)「御宿かわせみ」などの人気シリーズの作者である平岩弓枝氏。
時代小説とも言えると思うのですが、舞台はお題のとおり「平安時代」で登場人物は藤原道長とその郎党が中心なので「歴史小説」という言い方もできるとか、怪異を扱っているので「平安ファンタジー」とか言うべき、とか解釈は様々なのかもしれませんが、しかしこれがまた面白いのです。


登場するのは神秘的な力を持つ少年楽士と、若き日の藤原道長
身の回りでおきる怪異を解決していきます(主に道長が巻き込まれて少年楽士である秦真比呂がサポートに入る展開)。

学生時代にこの時代、というか「大鏡」とか課題で読んでいたので「道長さん」は結構知っている存在。
なので、挿話も含め、面白い感じで読めました(この土台が結構アドバンテージになっているのも事実です)。

でも、普通に陰陽師夢枕獏氏とか読んでいて好きなのであればオススメかも。


偶然家にあるもの(義母が送ってくれる義母文庫(仮称)のひとつ)だったのですが、個人的につぼでした。
さらに続編である「道長の冒険―平安妖異伝」も現在読んでいるところ。


この時代って今昔物語は言うに及ばず、宇治拾遺物語とか、結構「奇妙な話」は多いので、このあたりをベースに皆さん様々書かれたら面白いのになと思います。

でも、以前夢枕獏氏の作品のあとがきに西村寿行氏が今昔物語とかあの時代のものをベースにアレンジした作品を書かれている、とあった記憶があるので(でも、これもまた未見…)そういう意味では私の視野が狭いだけで、そういう作品は多いのでしょうな。


今の時代、検索で様々出てくるので「今昔物語 アレンジ」で検索すると結構面白い(というか自分が共感しやすい土壌を持った作品)というものにも結構出会えるのかも、と思いました。*1

今後はこういう「作品との出会い方」というのもアリかもな、と思いました。

*1:さくっと調べてみましたが、それっぽい言葉を入れたら結構出てきますな