11人いる!

11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

今読んでも面白いね。設定勝ち、というだけでなく、過程も、結末も楽しい。そして結末を知ってても、ヒントを拾う、なんて楽しみ方もできる。


嫁が読んだらしく、寝室の本棚にあったので、読んでみた。


やっぱ面白い。


「本来10人しかいちゃいけないところに11人いる」というストーリーの設定もさるものながら、SFとしての世界観も作りこまれているのもすごいなぁ、と思う(単純に自分がその世界を知るより前にできた作品、ということでバイアスがかかっているかもしれませんが)。


先日読んだ「まんが極道@唐沢なをき」にも設定しかできない人、というのが出てきてましたが、(当たり前だけど)こっちの方が圧倒的にすごいなぁ、と思いましたよ。
でも、自分よりも年上の人も、この作品が出たときに「これは○○からインスパイアされているはず!」とか言う観点で読んでいたのかな?(作者の萩尾望都氏もSF好きだしな)


そして、この作品をさらに有名にさせた(ファンを増やした?)のは、多分「続編」というか関連エピソードの上手さのような気がする。

「サブキャラ:王さま」を話の軸に据えた外伝もなかなか。
後日譚的な大学生活の短編も面白い。
ファンをいっそうのめりこませる感じ。

今だと多分ファンが二次創作とかするのだろうけれども、自分でセルフカバー(というか、多分作者が描きたかったと思われる後日譚なんだと思うけどね)したりとか。これはファンはうれしいし、伝説化していくよなぁ。


蛇足ですが、巻末の解説は「中島らも
自身の高校時代のリアルBL体験を語ってます。


このあたりも時代を感じさせますが、作品そのものは今読んでも面白いので、オススメ。