血の城

血の城 (徳間文庫)

血の城 (徳間文庫)

勘兵衛や、親子十手捕物日記、そして黙して語らずな音無黙兵衛の鈴木英治氏の戦国モノ。


登場するは武田家、諏訪家と、米村圭伍氏の作品*1で学んだあたりが背景にあるオハナシ。

家康も、信長も出てきます。
(もちろん私の脳内補完は家康は「大砲付槍」を持ってたり、信長はガッチャマンみたいな格好で「ライトセーバー」を持ってたりしますがw(やっぱ本を読むときに連想するのは付き合いの長さ的に戦国BASARAではなく戦国無双なのだよな))

閑話休題


今まで読んだ鈴木氏の作品では主に「庶民的ポジションの人たち」のお話(黙兵衛はちがうけど、伊之助は庶民側だよな)でしたが、今回は「武将」そして「××」が登場し、いつもと違う感じ!!


ラストシーンでは、原作を読んだはずだけどあまり覚えてなくて、まじめな中井貴一に思わず噴出してしまった「×の城」とか「戦国無双」の手が伸びる人と口数が少ない人のバトルとかを髣髴とさせましたよ。


で、そんな「いつもと違う感じ」で期待感をわくわくさせつつ、鈴木氏の「照れつつも自戒を潔しとする人間のあったかさ」的な描写や「生きてやる!!」的な描写は、登場キャラは「武将」だけど、「鈴木氏作品」な感じです。


展開として、今までの「鈴木氏作品」にない「ひどいこと」もあるのですが、でも(加筆したというのがひょっとすると「やっぱり鈴木氏の作品だ」という印象を与えているかもしれませんが)、丈右衛門(@親子十手捕物日記)のようないい親父も出てくるし、やっぱ鈴木氏のいい感じをキープしているのです。


うむぅ。

良い意味で鈴木氏節がココにもあり! 
悪い意味でネタが変わってもこれか、という感じ。

でも、私は鈴木氏が好きなのでコレはアリです。