邪神世界

邪神世界 (河出文庫)

伝奇小説はやはり恐ろしい･･･

妖星伝や戦国自衛隊、石の血脈などでいい感じの伝奇小説を味あわせてもらった半村良氏の作品でタイトルも「邪神」ときたもんだから購入してみましたが、伝奇小説の恐ろしさを味あわせていただきました。

その恐ろしさとは、風呂敷が中途半端に広がって、収拾が付いたんだか付かないんだかわからないまま終了という「負の部分」。

最初はスロースタートでなかなか「邪神」っぽい展開にならずだらだらした感じでしたが、「産霊山秘録」みたいに「後半で怒涛の展開」ってのもあるのかな、と思ってましたが、そういうことにはならず。
後半から「邪神世界」ともいえる展開になったものの、「妖星伝」ほどの重厚さもなく、最後は「あれれ？」という尻つぼみの「ジャンプ打ち切りマンガ」状態。
がっくり･･･。

まぁ、初出が「連載モノ」だったようなので、そういうこともある、ということなのでしょう。

それにしても、伝奇小説恐るべし。

素人にはお薦め出来ない。

あ、いや、嘘です。伝奇小説の楽しみ方のひとつとしてこういうのもありかと思いますわ。
すごくがっかりしたけど。