輪違屋糸里

輪違屋糸里 上 (文春文庫)

輪違屋糸里 下 (文春文庫)

女性の側から描いた芹沢鴨暗殺を軸にした新撰組モノ、ということで読んでみた。

最初は読んでいてだめんずのハナシなのかと思いましたが、「女性について描かれる」ということは「男性について描く」ということでもあり、結論としては「男女がどうの、じゃなくて、人間というものはしょうがない生き物だなぁ」と思いました。
新撰組のオハナシなのですが、強く心に残ったのはそういうことでした。

また、今作の特徴は「芹沢鴨」の描き方。

一般的に「悪いやつ」という印象の芹沢氏ですが、ちょいと違う感じに描かれており、そのあたりも面白さのポイントかな。

そんな芹沢さんをめぐり、男と女と武士と芸妓、そして農民と、普遍的なネタに新撰組ならではのネタも絡んでドロドロと展開されます。

そして、コイツは浅田次郎氏の新撰組モノの第二弾という触れ込みなのですが、第一弾である「壬生義士伝」を読んでいないのだよな。
ちょっと探して読んでみようかな。