終戦のローレライ
- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/01/14
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- 作者: 福井晴敏
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いやぁ、本当にいまさらなのですが、いったん「今更」になると、もはや「時期」はどうでもよく、古本屋で値が下がる限界までまとうと思っておりましたが、ブックオフで「半額セール」があったのでほかのとまとめて大量購入。そして、ようやく読了です。
先日の「ロボット残党兵」*1以降、また「軍記系」に興味が出て、水木氏の「総員玉砕せよ!」*2を読んだり、ヒストリーチャンネルの戦争モノとか、ディスカバリーチャンネルの「フューチャーウェポン・21世紀 戦争の真実」とかコレとか改めていろいろ見て戦争について考えたりしておりました。
で、戦争に対する嫌悪感はいっそう募るばかりなのですが、一方で最近の兵器の進化を見ていると、徐々に<民間人への配慮>がなされてきていて、そのうち「ガンダムファイト」みたいなことが起きるのではないかと思わないでもないという感じもし、とはいえ、「殺し」が介在することは当分なくならないので、やっぱやだなぁ、と思うのですが、それはそれとして、この作品の感想。
戦時中の各登場人物の行動や心象風景や、ピンチピンチの連続については、この作品のすばらしさであり「映画のために書かれた」ということで、見事な見せ場の構成。
これは、ドラマとしても、エンタメとしても一級品だと感じました。
また、先日、ヒストリーチャンネルの「ドッグファイト」で飛行気乗りの心理?について、ちと違和感を感じたのは、このローレライがその能力と引き換えに受けるダメージが、今まで以上に「戦争の悲惨さ」を体現したように思えたからなのです。
そんなローレライを描きつつ、原爆についても描写しているこの作品。
もちろんローレライの能力はSF的というか、IFの能力なんだけど、この能力(というかダメージ)の一端でも、戦争に関わる全員が感じることができたら、ということをいいたいんだろうなぁ、と思います。
そして、そんなことも含めつつ、最初、1巻ごとにひとつの映画ができちゃうよな、とか、感想も1巻ごとに書こうかしら、と思っておりましたが、エピローグで、この作品の真意というか、また別の戦争に対するメッセージを受け止められた気がします。
なんか、戦争に対する、好悪とか、今の時代にそういうことを言うのは簡単なんですが、戦争をしていたときも、過去のひとつであり、それを体験し、まだご存命の方がいらっしゃり、絵空事でも、過ぎてしまった歴史でもなく「ずっと続いている同じ時代なのだ」ということを感じました。
うむむ、相変わらず戦争に関する作品について、言うのは難しいですな。