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マンガ週刊誌の巻頭マンガだけをピックアップした、サラリーマンのマンガ感想文「巻頭さん」です。昨日は寒かったですね、雪だし。とはいえ、そんなことにかまけていられない怒涛の1週間でした。もう2月終わりだよ。

週刊少年ジャンプ(13号):べるぜバブ
週刊ヤングマガジン(13号):エリートヤンキー三郎
週刊少年サンデー(13号):最強!都立あおい坂高校野球部
週刊少年チャンピオン(13号):クローバー


べるぜバブ

過去読みきりで登場し、人気が高くて連載化された作品。その経緯でちょとしたこともあったらしく、そういう意味でも連載前から有名みたい。
主人公は、腕っ節の強い極悪ヤンキーと、その前に突如現れた赤ん坊。実はその赤ん坊は人類滅亡をたくらむ魔王の跡継ぎで、極悪ヤンキーを人間界での「育ての親」として認めたらしい。赤ん坊とはいえ次期魔王だけあって魔力もすごい。悪魔の侍女も登場し、この「子育て(魔王育て?)」どうなる?



エリートヤンキー三郎

極悪家系に生まれ育った三郎。本人は大金持ち+超過保護環境で培われたわがままと、オタク性を持つ「極悪」とは間逆の性格。しかし、ストレス過多でひとたび失禁すると一族最強?の極悪最凶キャラに変貌。血筋ゆえか、その変貌時の能力ゆえか、本人の意思とは裏腹に、伝説が拡大〜ヤンキーとしての確固たる地位を築いていくのでしいた。

今回は受験に備えて「冬山合宿」!と思いきや、殺人事件に発展?
映画化ということで巻頭さん



最強!都立あおい坂高校野球部

高校野球モノ。昔、少年野球で一緒だったメンバーが、当時の監督であった「師匠(女子)」が公立高校(野球じゃ勝てない環境)に赴任したことで再集結。師匠を甲子園に連れて行こう!ってなことで、奮戦中。

現在の目的の甲子園までたどり着き、準決勝! しかし相手チームの監督は、自軍の監督の先輩だった。互いの手の内がわかりつつ、根性がぶつかり合い、試合は同点のまま延長へ!



クローバー

今風ヤンキーマンガ。天涯孤独の身となり、遺産である大金を持って以前住んでいた町に帰ってきたハヤト。以前住んでいたときの親友二人と高校生活を送ります。

現在は暴力集団とのバトルもひと段落。日常エピソードです。



★★★総評

べるぜバブ

まずは「設定の勝利」というのはありますな。「赤ん坊」と「悪魔」という組み合わせは「突発的暴走キャラ」を描く上で、すごくいい組み合わせだと思いました。普通の漫画見ても「暴走キャラ」って「ちょっと性格破綻者的な設定」がないとできないけど、赤ん坊ってデフォルトでそうだだから、いやみとか嫌悪感とかなく描けるもんね。
下手なマンガの「暴走キャラ」って、不自然で見てて痛々しいことも多いので…。

ギャグも今風でいいテンポ。

というカンジで設定、ギャグのテンポはいい感じ。肝心なのは「オハナシ」ですが、この先、どんな風にモノガタリを作っていくのか楽しみに待とうと思います。



エリートヤンキー三郎

ふと過去の履歴を見ると「巻頭さん」で三郎について言うのは初めてでした。そうか、初めてか、と思いつつあらすじを書いてみました。
で、上の「べるぜバブ」の「赤ん坊×魔王」の暴走がとってもナチュラル、という風に書きましたが、この三郎の場合は「まったくもって不自然なんだけど、「ギャグマンがだから」という開き直りの暴力?で強引に失禁に持ち込む」というカンジですな。

正直最初のころは「ひどいなぁ」と思って痛々しく見ていたんですが、徐々に周辺のキャラが個性を出し始め「三郎が暴走しなくてもハナシが構築される余裕」が出てくると、暴走の機会も「要所要所で登場」ということになり、作品全体としていろんなエピソードが出て面白くなってきました。

逆に最近河井&チャーン出過ぎ、と思ってましたが、今回の殺人事件でいい感じで退場して、面白そうです。

あと、想像ですが、作者は1回チャンピオンで番長連合ってマジ系のヤンキーモノを描いてました。あれで1回「ギャグ以外のモノもキッチリ描けます」ということを証明して、自信をつけた分、三郎で「馬鹿馬鹿しいものを続ける決意」というが固まったのかな、とか思ったりもし。

とまぁ、何だかんだいって、今は比較的好きになってますw 相変わらず馬鹿馬鹿しいんですが。



最強!都立あおい坂高校野球部

「キャラに感情移入できない」まま「いつの間にか甲子園」で、オハナシとしてはとても盛り上がっていて、おいてけぼり感が強いこの作品。とうとう決勝まできちゃいました。
相変わらずキャラへの思いは弱いまま。強いて言えば「敵役のコーチン」と「騎手になる?ならない?の右京」くらいか。

でも、ビジュアルも含めたメインのキャラたちの設定はよくできているんだよね。戦隊的と言うかアニメ的と言うか、ガンダムWというかw だから「見分け」はすごくつく(当たり前か)。さらに「こいつはココでこれをする」という「読者としての私の期待と作品内での反応」はすごく気持ちよく「通し!」となるわけですが、いかんせん「感情移入」ができない。

なんでかなぁーと思いましたが、「小さいころ野球をしていたときの監督を高校生になってサポートする」というのが荒唐無稽すぎるんだよな。そして、それに対して「なぜそこまでするのか」が弱い。だから「小さいころの約束を偏執的に守るヘンなやつら」としか思えない。そういう意味では「コーチン」の方が当たり前だし、自然だ。
「常識」についてのハナシじゃなくて「動機付け」のハナシとして。

とかなんとか思いますが、いよいよ決勝。
主人公たちに感情移入ができていないのは事実ですが、「応援する周囲のキャラ」とかにはジーンとくる。主人故意がどんなやつらであれ「誰かを応援する気持ち」というのはすごくよくわかるので。
うむむ、難しいですな。



クローバー

ココ最近巻頭さんの機会が多いですな。前回の「腕自慢不良旅烏編」の喧嘩の締めがなんか中途半端だったんですが(仲良し締めは嫌いじゃないんだけど、敵側の背景とかさ、行く末とか)、どうですか?みなさん。
で、今回も「仲良しエピソード」。最近どうも性根が腐ってきたのか「男子が仲良し」なシーンを見ると「フジョシ対策?」とか思ってしまうw
今回登場した「バイク屋(この作品唯一?のイケメン)」の元相棒もイケメン。そういうのを考えるとまた邪推がw


それはさておき、ヤンキーものにしては「ゴール(学園統一とか、ライバル校を蹴散らすとか、宿敵を倒すとか)」が見えにくいこの作品。ある意味日常に即したヤンキーモノともいえますが、今回はどんなオハナシになるのかな?
「王道ではない」がゆえの「物足りなさ」も感じていますが、「王道ではない」がゆえの「新しいアプローチ」にも期待しております。はい。


てなことで、このへんで。