ヴィンランド・サガ(7)

ヴィンランド・サガ(7) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(7) (アフタヌーンKC)

野蛮でパワフルなヴァイキングのオハナシ。今巻でさらに転機が?


最初のころから「納得しやすい義侠的描写、強者に対する憧れ的描写」と「奇異に映る奴隷制とか、あえての?残虐な描写*1」はこの作品の特徴でした。

よく、作品のリアルさを出すために「描かれる時代の風習を丁寧に描く」ということはあるかと思いますが、この作品の場合、「リアルさ」がゴールなのではなく「<その時代>を<この時代>に描くこと自体も<作品のメッセージの一部>なのではないか」と強く感じております。


一方で今回、トルフィンの「なじみのキャラ」が登場し、現代人の我々(というか私が)グラッときそうになるシーンも描かれます。

現代人である我々が納得したり、奇異に感じたりすることが織り交ぜながら描かれていくこの作品。
今回の王子の覚醒や、酔っ払い神父、そして主人公トルフィンとアッシェラッドなどの言動を見るに作者のメッセージが<確実にある>ことはわかるんですが(あたりまえか)、<それがなんなのか>ってのを考え始めると、ちょっと悩んでしまいますな。この感想もうまくまとめられてないんですが、いずれにせよ、今後も追い続けたいと思います。注目です。

*1:残虐といいつつ、弓と剣とを使うバトルの帰結のひとつとしては、ぜんぜん普通なんだけど、漫画映画アニメなどにおいて、あえて描かれていないだけ、なんですが