幕末水滸伝―剣客たちの青春
- 作者: 三好徹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2001/09/01
- メディア: 文庫
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篤姫に続いて、剣客の立場からの幕末が見れそう、ということで購入。
で、表紙には勝海舟から坂本竜馬、近藤勇に土方歳三桂小五郎徳川慶喜、福沢諭吉などなどなど、幕末上のメジャーな人たちがズラリと並んでいたので、短編集かな?と思いましたが、直心影流道場主・香月源四郎を軸にしたオハナシでした。
主人公は剣の道に生き、佐幕も倒幕も攘夷も開国も関係なく生きているのですが、偶然そんな流れに巻き込まれそうになります。それでも「己の道=剣の道」を信じて「そっち」には行かないものの、「刀が必要ではなくなる世の中が来る」という福沢諭吉の言葉に心を動かされつつ、日々をすごします。そんな彼の目を通して、「われわれの知る幕末」を描きます。
上述のとおり、主人公の周りに勝海舟や坂本竜馬、福沢諭吉などがいて、それらの登場人物とやり取りをし、剣客香月源四郎の視点で幕末が描かれます。巻末の解説を見たら、作者も「主人公を記者にして幕末を描いた」とおっしゃってたそうですが、ホントそんな感じで「チャンバラ作品」というよりは、「源四郎の幕末日記」と言う感じ。そういう意味では、タイトルの「水滸伝」というのは、はすごくマッチしているように思います。
流石に篤姫は出てきませんでしたが、幕末には外せない慶喜は登場。
先日読んだ篤姫だと慶喜は悪者風に描かれてましたが、この作品でも「狡猾キャラ」な感じ。
慶喜って以前1回大河ドラマになったことがあったように思いますが、そのときはどんな描かれ方だったんだろうか?急にお鉢がめぐってきた悲劇の主人公なんだろうか? そのへんも気になるな。
幕末の人物芋づる式読書はもう少し続きそうです。はい。