タイムスリップ森鴎外
タイムスリップ森鴎外 タイムスリップシリーズ第1作 (講談社文庫)
- 作者: 鯨統一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
「邪馬台国はどこですか?」*1
「新・世界の七不思議」*2」
の鯨統一郎氏作品。「邪馬台国」を読んでから興味があったのですが、ようやく他の作品を入手+読了。
大変読みやすい上に、謎解きの「謎」もなかなか大胆な構想で、オチも秀逸! こりゃ面白いですよ。
SF+近代文学が好きな方にはオススメ。(ちゅうても、もうNHKのラジオドラマになったりでメジャーみたいですが)
コレは初期設定こそ「タイトル」を見ればわかると思いますが、展開は意外ですよ。
興味を惹かれた方はぜひ読んでほしいです。
SF的ネタで始まりつつ、ギャグもあり、推理要素もあり、「夢」もある(←これ大事)というなかなかの好作。面白いです。オススメ。
まぁ、ネタバレになりますが感想を言うと以下
あらすじは、 当時の渋谷で何者かに殺されそうになった森鴎外が、現代渋谷へタイムスリップ。
サブ主人公であるギャルたちに拾われ、自分の時代に戻るように画策しますが、同時に気になるのが自分を殺そうとした犯人。
文学史を紐解いてみたところ、同じ時代の作家さんたちはみんな早死にしている様子。これは連続殺人に違いない!と「現代」から「当時」を推理して犯人探しを行います!
確かに、みんな早死になんですが「そういう時代だった」と思ってしまっていた私。
しかし、それが殺人事件だったという見立てはまさに「荒唐無稽に見えつつ「そうかも」と思わない部分がないでもない鯨氏ならでは」の展開。
国家的な犯罪?それとも個人の犯人?なんて展開も面白い。
そして、最後は<現代>において、<過去>の犯人を確定させ、鴎外は無事に自分の時代に戻り、「当時の殺人事件」も防いだようで、過去の作家の「死ななかったことにより発表された<新作>」が読めるという結末!!! これは、本当にフィクションでなければオチがつけれない展開。
また、(一部安直に思えるものもありますが)各作家さんの「新作」は読んでみたいなぁ・・・。
そして、真犯人はたしかに「バイタリティ」あふれる感じだけど、この辺て「犯人」の遺族に確認とったりしているんだろうか?wちょっと気になる。
また、先日読んだ八雲百怪の2巻でも森鴎外出てきてるし、なんか面白いめぐり合わせ。
とりあえず、入手した「タイムスリップシリーズ」はドババと読んでしまおうと思います。はい。
*1:
*2: