川の深さは

川の深さは (講談社文庫)

川の深さは (講談社文庫)

福井晴敏氏の江戸川乱歩賞の最終選考まで残ったけど、あえて?落選になった作品。福井氏の「根源」ともいえる作品。
後半の拡大っぷりは尋常じゃなくて、とてもワクワクしました。


解説にもありましたが「初期作品」には、その作家さんの「すべてが濃縮されている」という傾向があるようですが、まさにそんな感じ。熱血、ツンデレ、オヤジ、若者、スパイ、市ヶ谷、軍隊、銃器を含めた兵器、そして平和への願い、などなど


一見無謀な蛮行に見えた「某教団の地下鉄テロ」は実は国際情報戦の結果だった、という感じで始まるオハナシ。
その情報戦の鍵を握る美少年エージェントと、それに巻き込まれる元刑事、と「わかりやすい導入」と「スケールのでかい設定」は男子ならみんな好きだよな? という感じ。

久々にどきどきしました。福井氏の作品をもう1回読み返してみようかな。