月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿

月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿 (徳間文庫)

月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿 (徳間文庫)

その名のとおり、詩人萩原朔太郎を主人公に配した推理小説。作者は鯨統一郎氏、です。


鯨氏のほかの「著名人登場モノ」というか「タイムスリップ○○」ほどおふざけはないですが、萩原朔太郎の詩の「由来譚」のような体裁+ちょっと変わった人物といての朔太郎像で、推理モノガタリが進みます。

友人として室生犀星山村暮鳥、師匠として北原白秋らが登場。さらにゲストキャラとして竹久夢二とか平塚らいてうとか、その時代の著名人が被害者とか容疑者で登場。


で、正直この時代のこの手の人たちはまったくわからず、戦国時代とか幕末のあたりの人が出てきたときに覚える感動、というものはありませんでした。
「へー」という凡庸な相槌程度。
というか、そもそも「室生犀星山村暮鳥萩原朔太郎が組んでた」ってのも知らなかったですしw


てなことで「楽しみ度?」は事前知識によってまったく変わる可能性はありますが、普通に推理モノとしてみても、普通に面白く読めました。


オススメはしませんが、過去に見た鯨氏の「私的に大外し作品」よりは面白く読めますし、近代文学史とかお得意なら面白いのかも、と思います。