見知らぬ明日 グイン最新刊にして最終巻で未完

リリースのタイミングの妙もあり、09年の締めくくりはコレかな、と


書店でご覧になった方、ご購入された方はいわずもがなですが、薄いです。
まるで病床にあった栗本氏の状態を想起させるような状況ですが、2話目の途中で終わっているためです。
オハナシとしては「たくらみイシュト」と「愚痴ヴァレリウス」という感じで「想定内の進行状況」。そしてグインは噂のみの登場。しかしその噂の中身はいろいろと気になる「アレ」の話題。てな感じで、あくまで「いつもの感じ」なんですが、途中まで…


演出的な何かがあるとは思いませんが、「スーティの安否を気遣う囚われのフロリー」の描写で終了。作者とその作品の間柄を想起させるような風にも見え、ちょっとうるっとね。


さらに巻末は旦那様今岡氏の解説が入り、このモノガタリのいったんの終了を宣言します。
これがまたうるっとね。


著名な作家さんが語り継ぐ形式はありだと思うんだよね。
そのうちどっかでタイミングで「分岐」して、いろんなハナシが紡がれる(作家A版とか、作家B版)とか。そんなポジティブな妄想もしつつ、多分商業的に部数が出なくて破綻する?とかも考えちゃうと、やっぱ「オリジナル」は栗本氏の筆じゃなきゃってこともあるだろうし、そういう意味ではやっぱ「未完」なのだな、と。

そういう意味ではドラゴンボールAF*1的な展開とか? でも、これはこれで賛否が分かれそうですが…。


そして、多分、最初から読み返すということはないと思うんですが、でも、ココロには死ぬまで登場人物達がずっと残っていそうなこの作品です。
普通は好きな作品とか何度か繰り返して読んで「人となり」がわかって「こういう場合はこうするはずだ」という感じになると思うんだけど、グインの場合は解説で今岡氏が言うように「こういう場合はこうしてたね」って「その人の生き方を作品の中で見てきた」という稀有なケースだよなぁと(そういう意味ではサザエさんドラえもん、ちびまるこちゃんクラスかも)。



改めて「薄い文庫」を見たり、旦那様の解説を見るといろんなことを改めて「事実」として受け止めないといけないのだなぁと思ったりしております。


ともあれ、改めて「お疲れ様でした」そして「ありがとうございました」といわせてくださいませ。はい。