空から恥が降る

空から恥が降る (文春文庫)

空から恥が降る (文春文庫)

小説というか、エッセイですが…。今でも繰り返し読むことの多い藤原新也氏の比較的最近の作品。ネットにあげてたものを編集した模様。最近のネタも多く身近に感じられます。


そもそも藤原氏の作品との出会いは、学生時代に旅行したバンコクの安宿で、だれかが置いてった「印度放浪」を読んだのが、最初だったのですが、そんな「若いころに東南アジアを旅行」なんて自己陶酔はなはだしいタイミングで、今読んでも「うーむ」とうなる本に出会ってしまったので、心にしっかり楔が打ち込まれ、もはや妄信的に好きな作家さんです。

でも、最近作者との距離が変わってきたかなぁ、と思います。

過去の「世界行脚系」は、こちらがまったく知らない世界を独りで切り取り、歩いてきた藤原氏の情報・文章であるがゆえに、当然「私の意見」を差し挟む余地はなく、「まったくの観客」でした。
ですが、ココ最近の「世に対するメッセージ的作品」となると、扱うネタや世界が今までより身近であるため、違和感が発生したり、それに対する「私の意見」も出てきたりします。

それがいいとか悪いとかじゃなくて、自分も大人になったのかなぁと思ったり、神聖なる藤原氏が、より理解できるようになったのかなぁと思います。偉そうですが。

つーことで、今後も過去の作品最近の作品交えて読んでいこうと思います。