戦闘機「飛燕」技術開発の戦い

戦闘機「飛燕」技術開発の戦い―日本唯一の液冷傑作機 (光人社NF文庫)

戦闘機「飛燕」技術開発の戦い―日本唯一の液冷傑作機 (光人社NF文庫)

見つけたら買ってみる「太平洋戦争」モノ。今回は新型飛行機開発物語。


先日の「紫電改@海軍*1」に続き、今回は「飛燕@陸軍*2

先日の「紫電改」はパイロット(兵士)の側からの記述でしたが、今回の「飛燕」は、開発者サイドからの記述ということで話は「プロジェクトX」をイメージしていただければわかりやすいかと(と、いいつつ私も何度も見てはいませんが)

それゆえ「製品の開発・整備」という部分がクローズアップされており、私が読みたかった「一兵士の視点」というところからは離れていましたが(タイトルにもそうあるし、これは私が悪い)、これはこれでビジネス的に興味がありました。
なんつーても最悪に感じたのは「採用決定から大量生産」までに一定期間があるのに、軍部の「嗜好(というか敵さんの仕様)」の変更が無理すぎて、開発側は「最初からどっちに転がってもいいように」考えつつ作らんといかんというあたりか?(すごい大雑把に言ってますが、要は発注元・あるいは販売店がリードタイムを意識せずにあれこれいう、ってことです 例:仕様変更って! もうライン組んでるんですけどー!!!)

とかなんとか、戦時中っぽい記述もあるにはあるのですが、やっぱこの本の核心は(プロジェクトX的と申しましたが)、性能向上に尽くす開発陣のエピソードです。殺人のための機械ではあるけれども、当時の常識から考えれば、当時必要とされている「モノ」の最高品質を考える人々の軌跡、というのは心をうちます。(今だって、おれらそれなりに「今の世で是とされていることに日々奮戦してるけど、地球規模的に見て「いいことかどうか」なんて、わかんないじゃん?」)

てなことで、当初の目的とは異なりましたが、いいオハナシでした。
(いや、戦争は良くないのだけれどもね)