三都物語
- 作者: 船戸与一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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船戸与一氏(国際的な政争、謀略その他という印象が強いです)が馳星周氏(アジアの暗黒社会描写という印象が強いです)のようなアプローチをしたのか知らん?(日本、台湾、韓国の三つの都市が舞台+黒社会の恐怖、と帯や表4にあったので)それはそれで面白そう!と思い購入。
解説にもありましたが、確かに今までの船戸氏の「海外で邦人が活躍(暗躍)する」作品*1(蝦夷地別件*2は、またちょっと毛色が違うけど)に親しんできた私にはちょっと「あらー?」という展開。
しかし、さすが船戸氏、最初こそ「???(以前の作品の印象による違和感)」がありましたが、話が進むに従い、「憂い(危機感)」「どす黒さ(謀略)」「最悪のゴール(半ば諦めを予感したドキドキ)」という船戸氏の作品になってました(そういう意味では、さくらの唄by安達哲氏や、ギャグ路線以降の古谷実氏の作品(わにとかげぎすとか)に近いのかなぁと今更ながら思ったり)。
最終的には「やっぱ救われないなぁ〜人生ってば厳しいなぁ(〜早く宝くじ当たらねぇかなぁ)」とかいうネガティブかつ今の自分の足元を改めて見つめるような作品でした。うーん重い。でもオススメ。
って、俺はマゾか!? いや、どちらかというと… あ、いや、それはともかく、本(フィクション)を読むことで現実(リアル)を改めて見つめなおす良作でした。
*1:
*2: