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マンガ週刊誌の巻頭マンガだけをピックアップした、サラリーマンのマンガ感想文「巻頭さん」です。バタバタ度がさらに加速した今週でしたよ・・・。そして今日は知人の結婚式。KくんSさん若い二人に幸あれ。(と漫画誌の巻末コメント風に)

週刊少年ジャンプ(43号):P2
週刊ヤングマガジン(43号):カテキン
週刊少年サンデー(43号):MÄR Ω(メルオメガ)
週刊少年チャンピオン(44号):涅槃姫 みどろ


P2

卓球中学部活モノの新連載。運動に向いていないダメ主人公。中学に入って、でもやっぱ中学からは部活は運動系! と思うものの、入部テストは案の定不合格の連続。部活を決める最終日に、やってきたのは卓球部だが・・・。



カテキン

ちょっとエロくて奇妙な短期連載をしていたオジロマコト氏の本格連載作品。

冴えない中学生と魅力的な女子家庭教師の話。成績が悪くはない主人公。家庭教師に褒められたくて成績が上がったり、エロい先生に気が散って成績が下がったり。
現在はサブキャラも様々に登場しつつ、主人公の性の目覚めも描かれ、どうなることやら。



MÄR Ω(メルオメガ)

烈火の炎」を描いていた安西氏の次の作品「MÄR」(メル)の、他の作家さんによる続編。
お話としては、旧作の主人公達が英雄・伝説化した世界で、魔法の力がゼロの主人公が旧作主人公の相棒(魔法の力がないと操れないはずが、なぜか「伝説のバッボ」だけは操れる)と、ワルモノをやっつけようとしている、というもの。旧作での「バトルレベル」に主人公はついていけるか? というのが今のところのポイント。



涅槃姫 みどろ

不思議な骨董屋を営み、不思議な執事とともに、不思議な生活をする、不思議な女子高生のお話。毎回、欲望に目がくらんだ人たちが登場し、彼女に「厄いわよ」と宣告され、ひどい目にあいます。乱暴に言うと女子高生版「笑ゥせぇるすまん」。




★★総評

P2
なんかぽよぽよした感じのタッチで、アルバトロス@サンデーとか、玄人好みの月刊誌を彷彿とさせます。個人的には「静⇔動」の盛り上がりに欠けると思われる絵・タッチなので、ギャグやラブコメ的なモノには合う気がしますが、部活モノにこの絵を持ってくるのはどうかと思います(アルバトロスも同様)。
でも「戦う」とか結構「攻め」の姿勢のシナリオ展開で、初回で既に「ハードな感じ」を演出しようとしており、「絵のもつ性格」は、重々承知で「この素材」を選んできているとも思われるので(主人公はきのこみたいな髪型でぼんやりだけど、先輩はいいオトコ風だったりするし)、その辺りは「それなりに考えている」風に見え好感が持てます。しかし、この先、その私の先入観を打ち崩せるか? 



カテキン
やはり主人公×先生ではHな展開に出来ないので、同級生と先生のやり取りを描いている3週連続巻頭さんの3回目。でも、こんなん見てもなぁ・・・。エロいの見るならコレじゃなくてもいいわけだし・・・と思う次第。
で、最近エロというのはネットの普及で急激に「容易に手に入るモノ」になっている気がしておりますが、そんな中でフツーにHなコトを描いててもあまり意味がないよなぁと思います。ということで、前半のアレは多分お約束で、後半のサチの反攻や「サブキャラの活躍」が本題なのだと思います。
チチムラやら、あの不良のコやらがこの先どう絡んでどういうお話になるのか興味があるので、とりあえず静観したいと思います。
でもフツーのHを描いても面白くないので、作者らしい変なハナシを期待します。



メルオメガ
最近年をとったなぁと思うのはこういう「偽善的な主人公」よりも「正論を吐いている(でも作中は「悪い奴」的に描かれている奴」の方に大いに共感することが多いこと。サンデーは特に「ジュブナイル」を意識した作品が多いので、とてもとても違和感を感じることが多いです(妖逆門もスレスレ)。でも、「これは少年向けだから」とか「マンガだから」と気持ちを補正したり。

で、改めてこの作品の主人公に落とすと、「世界の動向を左右する事柄」に絡んでいるにも関わらず「自己実現というか身内(村人たち)の保護」を優先するわけです。で、現時点で「魔法においてもまったく並の人以下」なのに「自己実現」も「世界救済」もすると言う始末。
今週ようやく「ただの並以下ではない」というのが客観的にわかってきますが、なんだかイライラします。「俺ってば成功しちゃうかも!!!」と若かりしころに抱いたぼんやりとした希望とか、「そーいう若い衆が成功するケースは多くない」という「現実社会でありがちなこと」と重なってしまうのです。
そして弱者が成り上がるシナリオとして、「もろもろダメだけど、●●だけは一級品」という王道的構造で私に深い感動を与えている「アイシールド21」や「超ラッキーの積み上げで立場的に強者に」という展開だった「特攻の拓」なんかとも比較してしまいます。やはりその辺の練りこみ(背景の描き方)の甘さが目に付きますが、同時に「ジュブナイルからしょうがない」とも思います。あとは「前作の世界観を描かなければならない」という続編として必須の仕事があるので、今作の主人公そのものを描く部分が減り、でも話は進めていかないといけない、というのもあるのかなぁ。
まぁオヤジをノセるためにオハナシ作ってんじゃないと思うので、しょうがないのだと思いますが。あとは単純に私が「夢」とかその辺の「許容範囲」がとても小さくなっているのだなぁと寂しくも思ったり。



涅槃姫 みどろ
毎回読みきりですし、女子高生版「笑ゥせぇるすまん」ということで自分の中では納得しているので、なんか特に言うことはないのですがw
しいて言うと今週加わった新規メンバー(ただしイレギュラー登場っぽいですが)の笑い声の「プッキー!!」が面白かったことと、扉のアオリの「クレヨンしんちゃんの次回予告でパロディーにされた」ということくらいか。
あとは「欲望」と「お仕置き」のネタ切れ?と思う最近のちょっと地味な感じかなぁ。あのライバルもうまく活用できているとは言いがたいし。特定のパターンでの毎回読みきりは難しいですな。そういう意味では「こち亀」は「あの基本構造」そのものがとてもすごい発明なんだなぁと思います。
みどろの作者がんばれ!

てなことで、この辺で。