グイン・サーガ(1)

グイン・サーガ 1―早川書房刊「グイン・サーガ」シリーズより (CR COMICS)

グイン・サーガ 1―早川書房刊「グイン・サーガ」シリーズより (CR COMICS)

原作に思いいれがある作品の「別メディア化」は大抵「腑に落ちない」ということが多いのですが*1、あの「クソ長い(失礼)」グインを、どうマンガ化するのか? と若干サド的な観点と、かつ同時にマゾ的な心持で購入。


帯に「栗本薫 絶賛!!」とあるけど、まぁ「帯」に、「イマイチ」というわけにも行かないわな。それに、コメントは褒めてはいない→

この物語は「川」です。一緒にどこまでも流れていって下さい

うむ。
作品の出来云々についてはココで気付くべきなのですが、文句を言いたいS的観点と、文句を言うに違いないのに買ってしまうM的観点が相まって購入。


で、読んでみた。

薄い!!! 薄すぎる!!! 


「絵のない文字ベースの(あるいは絵はあるけどスゴイ重厚な挿絵)作品の)マンガ化という「ハンデ」があるにせよ「絵が薄い」。なんかグインの頭もカラダも変。
私のグインの脳内イメージは「過去の作品の挿絵」と「来留間慎一(現・秋恭摩)氏」のデビュー作?のバトルロイヤル・ハイスクール(魔人(神)伝の前身)のアレなのですが、それに比べても薄い…。
絵をすでに「そう感じてしまっている」ので、台詞もなんか上滑りになっちゃうし…


あと「話が薄い」
…ああと、でも、コレは「マンガという表現方法と小説との違い」もあるし…。

例:リンダとレムスを救うためのグインの最初の乱闘シーンに際し、リンダが「なんて神々しい…」とかいうんだけど、それまでグインは素手で敵兵の足もって振り回して他の敵兵をなぎたおしてたり、敵兵の剣をうばって、南斗水鳥拳バリに敵をスライスしてたりするのですよ。

小説であれば「リアルタイム的には「事実(無残な敵兵とリンダが同じ空間・時間にいる)」であってもある程度描写(行数)を加えることで、グインは強い、という印象だけ残して、リンダの感想につなげることが出来る」のですが、マンガで妙に「そのシーンをリアルタイムで描こうとする」と、「なんだかこっけいな構成」になってしまうのではないかと。(あとは今風の文脈で「スゴイ」ってなったときにグロ・残酷性も求められている、と(作者なり編集部なりが)判断したのかもしれませんが)

あと、栗本氏が「語りすぎる」傾向もある(重厚な語り+長々モノローグ)ので、これはこれでしょうがないか。

うーん、イシュトもなんだか中途半端だし、アムネリスも…(でも、これから先、徐々に顔つきが変わっていくというのもアリといえばアリか)


そして!!! スニが「猿っぽい人間」!!!なんだかこれもなぁ。もちっと「ほとんど猿」というイメージだったのですが、これだと「あわよくばサルの女人化で萌えファン狙い」ともいえなくもない感じ。あ、でもやっぱ猿っぽいかw 目の辺りとか

毒島獣太のコミカライズの際のヒルコもそうでしたが、この手の「現在の社会に存在しない状態を表現する」場合、文字だけ媒体だとイメージさせるために「直接的な比喩」が入ってイメージを共有させるけど、マンガ(絵+文字)の場合は直接的に伝えられるから「手心(調整)」が加わる、ということか?

まぁ、スニはさして重要ではないので、ココまで語らんでもいいのですがw

それにしても、まぁ、2巻購入はないな…。