アキハバラ@DEEP
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09/05
- メディア: 文庫
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久々に現代小説もいいなぁと思いました。
①安心してドキドキできる展開(翔丸式とでも言うべきか?w)。
②適度にリアル。
③熱意が感じられた。
④なんとなくシンパシー
⑤おっちゃんが最早出来なくなった徹夜的アクションへ対する回顧
てなあたりがポイントでした。
①については、正確には「翔丸*1」とは違うんだけど、まぁ「成功が見えている行く末」を暗示させつつ危機的シーンを展開する、というのが潔いと思いました。意外なオチ、想像しえない展開に過度の期待をするおっちゃんとしては、「ああ、成功するんだ」というのが事前にわかっていても、「それをどうする?」という裏の裏をかいた(ソレは表)ような発信方法は逆にドキドキさせる感じで面白かった。
②については、昔「多分一生懸命いろいろ勉強して書いたであろう村上龍の作品を読んだときに(自分は若くてそれなりにアンテナを伸ばしており、その辺の「いろいろ勉強」が取ってつけたようで鼻についた)感じた違和感が、おっちゃんになってアンテナが低いこともあり、適度にリアルに感じられました。でも本当にキッチリその世界を把握している人には、昔に自分が感じた違和感を感じているのだろうなぁ、と思いつつ、今の自分には最適でした。
③故意に(というかドラマのために)「世の中一般的には不適合者」とされている人々を配置したと思うのですが、それはちょいとずるい(コトバを選ばず言うと、世の中一般的に「不適合」と判断されるゾクセイの方を主人公にすえるということは、成功の際に普通の方が何かを成し遂げるより「アップ感が高く出る=感動させやすい」)、と思うのですが、それでもなんか良かった。特に、最後の自白剤を使うあたりは、作者も「貯めて貯めてココで!」と言うポイントなんだろうけど、見事に策にはまりました。(自白剤を投与された後のあの咆哮はキマイラ(キマイラ・吼 )BY夢枕獏を彷彿とさせました。褒めすぎ?)そして、主人公達のがむしゃらさがなんか、若い頃のアホみたいなことを一生懸命していた自分にダブりました。(という一方で今でも社会(カイシャ)的に何の評価もされないDQMのモンスターの「プラス」を上げるのに懸命になってたりしますが…って、同じ次元で語ってはいけないのですが)
④オタというのが、仮に「作者が学習して得た知識で、実際本人が「そのゾクセイなのか」とかそのゾクセイを評価しているかどうかはわからん」としても、作中は「愛」を感じました。好意的に描かれる、そして描く登場人物たちと作者にシンパシー。
⑤単純に回顧です。もうシゴトで徹夜できません(夜遊びではするけどw)。シゴトで徹夜出来る人偉い!!と思ったので。
いやぁ、それにしても本当に久々に(つーても自分であまり買ってないだけなんだけど)現代小説でドキドキしました。
面白かった! オススメ!
ちゅうことで、ちょいと嫁の現代小説の蔵書も読んでみようかと思いました。嫁が昔から注目していて、今度映画になるバッテリーとかも読んでみようかな。回顧と感動を体験できるかな?
*1: