竹光侍(2)
竹光侍 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 松本大洋,永福一成
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: コミック
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主人公は鉄コン筋クリートのシロでいて、クロの一面も持つ、と言うような感じ。
のほほんとしていつつも、凄腕。邪悪(生き死にをかけたバトルになると豹変?)な一面も持ち、その邪悪の可能性を自ら認識もしている。
うぶなとっちゃんボーヤかと思えば、矢場の女性としっぽり「居続け」までしたり、手習い所の先生をしたりとてオトナな一面もある。
オハナシとしてはマコトに「時代小説的」であるのですが、やはり「タッチ」や「コマ割り」、描写方法は<松本大洋>作品と強く感じます。
またムカシから「動物がしゃべる」「擬音もフキダシに入れる」とかしてましたが、今回もそれは健在。またソレが「作品の雰囲気」にマッチしていて、ワビサビというか、切なさを演出しています。小説では表現できないマンガならではの手法ってやつですな。いや、マンガというか<松本節>というのかな。
そういう意味では、鉄コンでいうところのイタチ的な(まれびと*1として)、でも、シロ的(思い込みが激しい純な少年)でもある(何でもかんでも置き換えりゃいいってもんじゃないけどw)キクチという侍の登場+夢想(道行く人を惨殺しまくる)シーンもすごかったなぁ。これも漫画的。
「実際の残酷シーン・描写」を隠すための「モザイク的目隠し的演出(富樫海苔)」ではなく、「雰囲気を描くために別のものに置き換える演出」というのかなぁ。コレも驚きました。
(吾とか読んで見ようかなぁ)
あとは、主人公の方の夢想の幅も大きいと言うか、その妄想シーンも、様々じんわり感じるシーンも多かったです。(クビをきられるところとか、爺さんになるシーンとか)
なーんてことを言いながら、花男以降の作品を読んでないので、<松本節>の物言いが正確かどうかわかりませんが、そんな風に感じた「竹光侍」です。
マンガとしても時代物としても面白いです。
(お話はありがちだけど、描き方としてとてもスゴイと思う作品)
追記:1巻の感想でも「ビバ! マンガ!」的な表現における素晴らしさを述べておりましたな。まぁ、スバラシイと思うので、何度でも言いますが。