武蔵と無二斎

武蔵と無二斎 (徳間文庫)

武蔵と無二斎 (徳間文庫)

柴錬版宮本武蔵を読み終えたころに偶然目にしたので買ってみた。武蔵の話も含めた剣豪短編集です。


先日読んだ柴錬版では早々に実父を殺した敵として登場した「無二斎」ですが、こちらでは実父として登場。
武蔵の出自自体諸説あるようですから、父も同様なのでしょうな。

で、この作品は「父:無二斎」が、「子:武蔵」の才能をねたんで、佐々木小次郎との巌流島の決闘を仕組んだ、というお話。その確執が描かれます。


そのほかにも、武蔵ものが1篇、竹内久勝(知らない人でした。柔術の元みたいな捕手、という兵法の始祖とされる人)、塚原卜伝、その塚原卜伝の流れの秘伝「一の太刀(一子相伝!…ここでは唯一受人、と言われてますが、要はそういうこと)」を受け継いだ戦国武将:田丸直昌などが語られています。

それぞれタイプが異なるので、なんともまとめにくいですがw「謀略」「男気」「意地」など、「男」な感じの兵法者たちのお話が詰まっています。


それぞれ小気味よく展開されてます。大当たりってほどじゃないけど。

マイナーな兵法者も出ているので、視野が広がりました、というところか。