お茶にごす。@週刊少年サンデー 最終回

西森博之氏の心優しきヤンキーの「心の優しさ」を「具体的な行動」にまで昇華させるモノガタリ。終了。


過去の西森作品で登場する「ヤンキー系腕っ節の強い主人公」は、最初から心優しい正義感で、正義の味方でした。一緒に登場するサブキャラは、この主人公たちに守られることが多かったように思います。


それは、多分、その方がカッコイイし、少年マンガとして「適切」で「当たり前」だから。
(かつ、西森作品に出てくる「悪者」が、いつも「邪悪」で相当イヤらしいやつも多くて、そいつらが主人公に負けることで、けっこうスカッとしたから、というのもある)


でもね、センセイ。
この「お茶にごす。」は、みんながその「適切」とか「当たり前」の状況を、マンガらしからぬ「時に超不安な気持ちとかにさせつつ」乗り越えたり、悪者が改心したり、いろいろハードなことに挑戦していたように思うのです。

例えば「偽悪的主人公」ってのは「悪と主人公」という「当たり前じゃない」オハナシなわけですが*1、そういうのともちょっと違う「当たり前じゃない」感じだったんだよな。
「ギャグとしてのギャップ」をそのままにせずに、解決させるところまで見せた、というか。


そんな不思議な感じがこの作品の魅力だったわけですが、今回、最終回を迎えました。



先週のサンデーに告知が出たときの感想にも書いたように、

新入生も入ってきて、「部長のいない新しい展開」になるのかと思いきや、やはり「部長を含めたアノ体制」が「あのオハナシのすべてだった」ということか。

やはり、「部長とまーくん」のハナシだったわけですな。




ちょいと唐突な最終回のような気もしますが大事なのは「部長とまーくん」なわけなので、コレもアリかと。



と「二人のハナシ」といいつつも、脇の同級生達のハナシや、じいさんのハナシ、そしてお寺に修行に行ったときの元悪者2名のハナシ(個人的にはこのハナシが結構好き)とか、マン研とか、いじめられっコとか、いろいろ他のイイハナシもあったことが思い出されます。(あ、そういえばブルー樫沢は終盤出てきてない。でも、別にいいけどw)


サンデーの中で、結構上位の「好きなハナシ」だったので終わってしまうのは残念ですが、「まーくんおめでとう!」という気持ちもあり、素直に「お疲れ様でした」と作者や登場人物たちに言いたいと思います。

お疲れ様でした!

*1:ギャップという意味ではクラウザーさんDMCとか、三郎@エリートヤンキー三郎とかにも近いのかもしれないけど